【銘柄Q&A】トヨタ自動車は高値圏のモミ合いをどちらに放れますか

2013年10月28日 15:25

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  【Q】 トヨタ自動車 <7203> は高値圏で強い動きだが、この先、上値が期待できますか。

■11月6日発表の決算次第、通期の1株利益552円、配当年120~140円が分かれ目

  【A】 5月に年初来高値6760円をつけたあと6月に5360円と下げましたが、それ以降はほぼ6000~6500円の大きいモミ合いです。高値に対し9.5合目という位置ですから高値圏での堅調な展開といえます。

  背景は業績に対する期待です。11月6日(水)に発表する9月中間決算がどのていどの数字となるか、そして今3月期通期見通しがどのていどとなり、「未定」となっている配当がどうなるかがポイントです。

  第1四半期決算発表時点の今3月期見通しは1株利益467.0円です。これに対しマーケット予想は、たとえば四季報・秋号では552.3円となっています。配当についても会社側の「未定」に対し四季報では年120~140円となっています。

  当然、株価は四季報予想を織り込んでの展開ですから11月6日発表時に今期の『1株利益552.3円』、『配当年120~140円』をそれぞれ上回ることができるかどうかが見所となります。

  第1四半期決算発表時点頃に比べると期待された『円安』はそれほど進んでいません。消費税引き上げ決定で早くも引上げ後の反動も懸念されるようになっています。原材料費、燃料費に加え人件費も上がる見通しなど経済環境は楽観できない状況です。

  しかも、世界景気は不透明です。このため、マーケット予想を大きく上回るかどうかは不透明です。こうしたことから株価がモミ合いに推移している背景ともいえるでしょう。

  ただ、マーケット予想の1株利益で計算したPERは11倍台、配当利回りも1.9~2.2%と指標的には割安といえます。

  とくに、週足チャートでは、高値圏での『フラッグ型モミ合い』が煮詰まっています。このため、今期見通しがマーケット予想を、(1)かなり上回れば上放れて7000円台での展開が予想されます、(2)少しだけ上回ればモミ合いを上放れても伸び切れず、上ヒゲ天井の可能性があります、(3)マーケット予想に届かない場合は処分売りで調整する可能性がありますーーといったことが予想されそうです。来週6日、結果はまもなくです。ヤマを賭けて買うには少々、勇気のいるところでしょう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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