出光、カナダの石油・ガス会社に資本参加 約420億円

2013年10月25日 12:19

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 出光興産と、カナダでガス事業を展開するアルタガスおよびペトロガスエナジーの3社は25日、出光とアルタガスが折半で共同出資するAltaGas Idemitsu Joint Venture Limited Partnership(以下AIJVLP)が、ペトロガスエナジーの発行済み株式の3分の2を取得する契約を締結したと発表した。

 出光は、世界のエネルギー需給構造の変化を捉え、第4次連結中期経営計画(2013~2015年度)において、エネルギーソースを多角化し、エネルギーの安定供給に努めていくためにガス事業への参入を検討することを掲げた。この方針の下、出光はアルタガスとの合弁会社を通じ、カナダ産のLNG(液化天然ガス)およびLPG(液化石油ガス)をアジア向けに輸出・販売する共同事業に関する可能性を調査してきた。

 ペトロガスエナジーは1986年にカナダ・カルガリーに設立され、カナダ西部および米国を中心にNGL(天然ガス液)・LPGおよび原油のマーケティング、物流、貯蔵、輸送などを主要な事業とする石油・ガス大手。

 今回、ペトロガスエナジーと資本関係を結ぶことで、アルタガスの持つLPG生産設備、ペトロガスエナジーの持つ集荷・貯蔵・および鉄道貨車をはじめとする物流設備、出光の販売ネットワークがつながることにより、出光およびアルタガスが検討を進めているLPG輸出事業の実現に貢献するとともに、原油・石油製品を日本や成長著しいアジア向けに輸出する機会を創出するなど、出光の既存事業にもシナジー効果を生むと考えた。また、ペトロガスエナジーの既存事業からもたらされる利益に加え、北米におけるNGLおよび原油の輸送ニーズの高まりによるさらなる収益貢献が見込まれるという。

 アルタガスは2013年10月1日にペトロガスエナジーの発行済み株式の4分の1の取得を完了しており、今回は同取得分を含めたペトロガスエナジーの株式の3分の2をAIJVLPが取得することとなる。なお、出光の負担は約4.4億カナダドル(約420億円)となる見込み。

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