為替週間見通し:ドル・円は上げ渋る展開か、米雇用が悪化する可能性

2013年10月19日 16:26

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記事提供元:フィスコ


*16:26JST 為替週間見通し:ドル・円は上げ渋る展開か、米雇用が悪化する可能性

■ドル・円上げ渋り、米国連邦準備理事会(FRB)の量的緩和縮小先送り観測

ドル・円は弱含み。99円01銭から97円56銭まで下落した。米連邦政府債務の上限引き上げ法案が成立したことでドルは一時99円01銭まで上昇した。しかしながら、米国の景況感悪化の懸念からFRBによるテーパリング(量的緩和縮小)が先送りされるとの観測が強まったことで、ドルは97円56銭まで反落した。中国大公国際資信評格公司が米国の格付けを「A」から「A-」へ引き下げたことも、ドル売り要因となったようだ。

今週の取引レンジは、97円56銭から99円01銭となった。

■米国9月の雇用統計と日本9月のインフレ率を見極める展開

今後のドル・円は、米国9月の失業率と日本の9月のインフレ率を見極める展開となる。米国9月の雇用統計が悪化していた場合は、ドル売り材料となるが、改善していた場合でも、10月の雇用統計が悪化する可能性が高まっていることで、ドル・円は上げ渋る展開が予想される。

米国の雇用情勢が悪化するとの懸念から、29-30日の連邦公開市場委員会(FOMC)でのテーパリング(量的緩和縮小)は見送られるとの見方が強まっている。

■日本9月の貿易収支(21日)
日本の9月の貿易収支は、9200億円の貿易赤字と予想されており、15ヶ月連続しての貿易赤字は、ドル・円を下支える材料となる。

■米国9月の雇用統計(22日)
米国9月の雇用統計の予想は、失業率は7.3%(8月:7.3%)、非農業部門雇用者数(8月:+16.9万人)は前月比+18.0万人と見込まれている。

米国9月の雇用統計が改善していた場合でも、11月8日に発表される米国10月の雇用統計が、10月1-16日の政府機関の閉鎖を受けて悪化が懸念されていることで、10月29-30日の連邦公開市場委員会(FOMC)では、資産購入プログラムの縮小は見送られると予想されている。

■米国連邦準備理事会(FRB)の高官の発言
バーナンキFRB議長が9月の連邦公開市場委員会(FOMC)でテーパリング(量的緩和縮小)を見送った理由として、米国議会での財政協議の決着待ち、があった。

米国議会で財政協議が合意に達したことで、10月29-30日の連邦公開市場委員会(FOMC)でのテーパリング(量的緩和縮小)の可能性を見極めるため、米国連邦準備理事会(FRB)の高官の発言に注目する展開となる。

■米財務省半期為替報告書
10月中旬に発表予定の米財務省半期為替報告書では、アベノミクス(財政出動策・金融緩和策・成長戦略)の結果としての円安に対する見解を注目する展開となる。

■日本のコア消費者物価指数(25日)
日本の9月のコア消費者物価指数は、前年比+0.7%と予想されており、8月の+0.8%からの低下が見込まれている。デフレからの脱却基調にある限り、円安要因となる。

主な発表予定は、21日(月):(米)9月中古住宅販売件数、24日(木):(米)前週分新規失業保険申請件数、25日(金):(日)9月全国消費者物価指数


[予想レンジ]
ドル・円95円00銭-100円00銭《TN》

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