米緩和縮小への警戒感、IMFは債券市場で2.3兆ドルの損失を予想

2013年10月10日 08:55

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記事提供元:フィスコ


*08:55JST 米緩和縮小への警戒感、IMFは債券市場で2.3兆ドルの損失を予想
国際通貨基金(IMF)は9日に公表した「国際金融安定報告書」で、米国の金融政策を正常化させるプロセスについて「過去に例を見ないほど複雑だ」と指摘した。また、米連邦準備理事会(FRB)が資産購入プログラムの縮小を開始した場合、あるいは米国政府が債務上限の引き上げに失敗した場合には米長期債利回りが1ポイント上昇し、債券市場の損失が2兆3000億ドルに達する可能性があると試算した。

IMFは金融危機時に採用された“異常な”金融政策を“正常”に戻すには機が熟しておらず、まだ世界経済がぜい弱性を抱えているとの見方。

一方、9日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(9月17-18日開催分)では、参加者の大半が「債券購入規模を年内に縮小させ、2014年半ばまでにプログラムを終了させる」という従来の認識を維持していることが判明した。

これを受けて市場では今年12月の緩和縮小開始論がぶり返されたが、米債務上限問題の不透明感、およびハト派とされるイエレンFRB副議長の議長昇格などを受け、縮小開始が来年に持ち越される可能性も十分残っている。《RS》

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