欧米為替見通し:ワシントンの茶番劇は続く

2013年10月7日 17:13

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記事提供元:フィスコ


*17:13JST 欧米為替見通し:ワシントンの茶番劇は続く

本日7日の欧米市場のドル・円は、米国議会での財政協議の進展を見極める展開が続く。

ドル・円の注文状況は、97円割れには本邦機関投資家のドル買いオーダーが控えているものの、96円80銭を割り込むとストップ・ロスが控えており、財政協議への悲観的な見方を背景にした売り仕掛けに警戒する展開となる。

ドル・円のテクニカル分析では、「三角保ち合い」を上抜けて上昇トレンドを形成中だが、本日のNY市場終値で上辺の97円18銭を割り込んで引けた場合、チャート崩れとなり、「ヘッド・アンド・ショルダー」での下落トレンドの可能性が高まることになる。

オバマ米大統領は、「1党の過激な1派が国の信認を脅かしながら譲歩を得ることが常態化すれば、将来の大統領も効果的な政治運営ができなくなる。そうした事態は容認できない」と警鐘を鳴らしている。

ティーパーティー系の共和党議員達が、選挙区の支持者に向けたパフォーマンスとしての政府機関の閉鎖、連邦政府債務上限、デフォルト(債務不履行)、米国債格下げ懸念であり、彼らの主張が通れば、民主党に大統領と上院の支配を選択した米国民の民主主義が毀損されることになる。

共和党サイドからは、政府機関閉鎖と債務上限引き上げの問題を一括処理する内容の提案を計画が報じられている。民主党サイドからは、「discharge petition」(下院議員435人のうち過半数218人の申し立て)が検討されている。

オバマ米大統領には、デフォルト(債務不履行)や米国債格下げを回避するために、アメリカ合衆国憲法修正第14条による権限の行使、米国財務省には、プラチナコインの鋳造、そして、連邦政府債務上限の撤廃、などの奇策が残されている。

【今日の欧米市場の予定】

21:30 加・8月住宅建設許可件数(7月:前月比+20.7%)
04:00 米・8月消費者信用残高(FRB)(予想:120億ドル、7月:104.37億ドル)《KO》

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