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三菱重工、デンマーク企業と洋上風力発電設備専業の合弁会社を設立
洋上風力発電設備のイメージ(画像:三菱重工業)[写真拡大]
三菱重工業は27日、世界的な風力発電機メーカーであるデンマークのヴェスタス社と、洋上風力発電設備専業の新しい合弁会社を設立することで合意したと発表した。2014年3月末までに設立する予定。総合的な技術力に基づく高い信頼性を有する三菱重工と、この分野ですでに多くの実績を持つヴェスタス社がそれぞれの強みを活かしてシナジー効果を発揮することで、急成長が期待される洋上風力発電設備市場でグローバルリーダーとなるのが狙い。
新合弁会社は両社の洋上風力発電設備事業を分割・集約して発足し、その開発・設計・調達・製造から販売・アフターサービスまでを手掛ける。本社はデンマークのオーフス市に置く。両社は同数の株式を保有し、初代会長には三菱重工の和仁正文取締役常務執行役員原動機事業本部長が、また、CEOにはヴェスタス社のイェンス・トムラップアジア・パシフィック&中国地域代表が就任する。発足時の従業員数は300~400人の予定。
新合弁会社の設立に当たり、両社は、洋上風力発電設備に関する豊富な技術・ノウハウを新合弁会社に提供する。また、三菱重工は新合弁会社に1億ユーロ(約130億円)を投入、さらに発足後の実績に基づいて2億ユーロを追加投入する計画で、2016年にはコールオプションを行使し、出資比率を三菱重工51%、ヴェスタス社49%とする予定。
新合弁会社は、ヴェスタス社のギヤ式風力発電設備である3,000kW機(V112)と8,000kW機(V164)をもって事業を開始する。さらに三菱重工の新型油圧ドライブトレイン(DDT)を搭載した風力発電設備も、V164のプラットフォームを活かして早期に市場投入をはかる予定。三菱重工の重電プラントで培った総合的な技術力・信用力とヴェスタス社の持つ豊富な経験・技術を新合弁会社に結集することで、世界の洋上風力発電市場でトッププレイヤーを目指す。
ヴェスタス社は、陸上風力発電設備で世界第1位、洋上風力発電設備で第2位の有力メーカーで、同社の風力発電設備は73ヵ国において導入されている。そのうち、洋上風力発電設備は1990年にデンマークで初号機を建設して以降、現在までに581基(約141万kW)に及ぶ建設実績を誇っている。
三菱重工の風力発電設備事業は、1982年に日本での商用機第1号となる設備を納入して以降、現在まで4,200機超(約440万kW)を国内外に供給している。そのうち、洋上風力発電設備では、世界初となるデジタル制御油圧ドライブトレインを採用した大型風力発電設備の開発を進めており、英国での陸上実証機や福島沖浮体式洋上ウインドファーム実証研究事業に対応している。
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