パナソニック、米投資ファンドのKKRにヘルスケア事業を約1650億円で売却

2013年9月27日 19:02

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 パナソニックは27日、同社のヘルスケア事業を米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)に約1,650億円で売却すると発表した。両社は27日、パナソニックヘルスケア株式会社の株式譲渡契約および株主間契約を締結し、両社がパナソニックヘルスケアの共同パートナーとなることに合意した。

 今回の合意に基づき、KKRは持ち株会社となるPHCホールディングス(以下PHCHD)を通じて、知財等関連資産を含むパナソニックヘルスケアの発行済株式の全てを約1,650億円で取得する。これにより、パナソニックヘルスケアはPHCHDの100%子会社となるが、パナソニックはPHCHDの第三者割当増資を引き受ける予定。一連の取引を通じて、パナソニックがPHCHDの発行済株式の20%を、KKRが発行済株式の80%を保有し、今後協同してパナソニックヘルスケアの経営にあたる。なお、同取引は、関係当局の承認等を前提として2014年3月末までに完了する見込み。

 パナソニックヘルスケアは、糖尿病患者向け血糖値自己測定器・センサーの製造・販売においてグローバルトップクラスのシェアを有する診断薬事業、診療所向けレセプトコンピュータや診療所向け電子カルテ等で国内トップシェアを誇るメディコム事業、CO2インキュベータや超低温フリーザ等で国内外で高いシェアを持つバイオメディカ事業の3事業を中核とする総合ヘルスケア企業。

 パナソニックとKKRは、それぞれの持つ経営資源、ヘルスケア業界における知見、技術や専門的ノウハウ、グローバルのヘルスケア企業に対する投資経験やネットワークを活用し、パナソニックヘルスケアの更なる成長を目指していく。

 パナソニックの津賀一宏社長は、「KKRはグローバルに展開するファンドとして、今後成長が期待される医療業界に対しても積極的に投資を進めており、当社が期待する医療業界への知見と非連続な成長に向けた資金とノウハウを持ち合わせていると高く評価している。今後は彼らの知見を活かし、パナソニックヘルスケアをよりグローバルな医療業界での成長へと飛躍させることができると期待している。当社としても、引き続き、パナソニックヘルスケアへは共同パートナーとして関わっていく。そのなかで、同じパナソニックを冠する仲間として協同して事業成長に向けて推進していくと共に、共同パートナーであるKKRが持つ新たな経営や運営面のノウハウを学び、導入していくことで、当社グループが狙う次なる成長に活かしていきたいと考えている」と述べている。

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