富士フイルム、自家発電設備を活用してグループ内16拠点に電力融通開始

2013年9月25日 18:46

印刷

 富士フイルムホールディングス(HD)は10月1日より、富士フイルム富士宮工場から富士フイルムグループ内16拠点に対して電力融通を開始する。

 これは、富士フイルムが特定規模電気事業者(新電力)となり、自家発電設備を有する富士宮工場から他のグループ事業場へ東京電力の送電網を介して部分供給することで、電力会社から供給される需要期の最大購入電力を削減するもの。これにより、電力会社における需要期の電力安定供給に寄与する。

 具体的には、富士フイルム富士宮工場の自家発電設備を活用し、約11,000キロワットを大口電力需要16拠点への送電用に確保する。16拠点トータルの融通必要電力量を予測するシステムを導入し、各拠点に融通する電力量を算定し、予測した電力量を東京電力の送電網に供給する。東京電力は同社の送電網を介して同じ量の電力を富士フイルムグループの大口電力需要16拠点に対し供給する。この電力供給分を富士フイルムの部分供給とみなす。この仕組みを利用することにより、夏季・冬季などの需要期を中心に電力の融通がなされ、大口需要16拠点に東京電力から供給される最大電力の削減と年間を通した平準化に貢献する。

 富士フイルムグループは、安定した電力確保とCO2排出削減を目的に自家発電の増強や節電に関する活動を継続して行ってきた。2011年は自家発電量の増加を図ると共に、電気事業法の「共同使用制限スキーム」を用いた節電を確実に実施するため、東京電力管内の大口需要15拠点に使用電力の一元管理(計測・集計・監視)システムを導入した。さらに、2012年には電力使用状況の一元管理を全国の大口電力需要25拠点に拡大した。そして今月、経済産業省に対して特定規模電気事業者としての事業開始を届出、自家発電能力を増強した富士宮工場の電力を活用し、富士フイルムグループの大口需要拠点に対して電力融通を開始する。

関連記事