欧米為替見通し:株式市場の楽観、為替市場の悲観

2013年9月18日 17:15

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記事提供元:フィスコ


*17:15JST 欧米為替見通し:株式市場の楽観、為替市場の悲観

本日18日の欧米市場のドル・円は、連邦公開市場委員会(FOMC)での資産購入プログラムに関する決定、バーナンキFRB議長の記者会見を見極める展開となる。

東京株式市場は、安倍首相の「今の日本は買いです」を信じて、FOMC声明の前に安倍トレード(日本株買い・円売り)を先行しつつあるが、為替市場は、FOMC声明への警戒感からドル買いに慎重なスタンスとなっている。

2002年、自称「大恐慌マニア」のバーナンキFRB議長は、ミルトン・フリードマンの90歳の誕生日に、「米国連邦準備理事会(FRB)は、二度と同じ過ちを繰り返しません」と誓った。

FRB理事に就任した時の講演「デフレーションを米国で絶対に引き起こさないようにするための方法」では、「政府と力を合わせ、輪転機を回してドル紙幣を印刷。これを減税や公共投資の財源として使えば総需要を刺激、物価を押し上げ、デフレを阻止することができる」と豪語した。

そして、FRB議長として遭遇した2008年の「100年に一度の金融危機」といわれるリーマン・ショックに際しては、『大恐慌論』の机上の知見を、信用・量的緩和で実践することで、リセッション(景気後退)から大恐慌への転落を防いだ。

2014年1月末の退任を控えた本日の連邦公開市場委員会(FOMC)では、低調な米国雇用情勢にも関わらず、記者会見で説明責任が果たされることで、資産購入プログラム(月額850億ドル)が50-350億ドル程度減額される見通しとなっている。

減額された場合、フォワードガイダンス(将来の金融政策指針)の厳格化、すなわち、利上げ開始の失業率目標(6.5%)の6.0%への引き下げ、インフレ目標(2.5%)の2.0%への引き下げ、などが予想されている。

1)メインシナリオ:減額(100億ドル)+失業率目標(6.0%)&インフレ目標(2.0%)
・リスク選好地合いで株高、ドル・円は上昇

2)サブシナリオ:減額(50-100億ドル)か(200-350億ドル)で、フォワードガイダンス現状維持
・50-100億ドルならば、株高、ドル・円は下げ渋る展開
・200-350億ドルならば、株安、ドル・円は強含み

3)リスクシナリオ:現状維持
・株高、ドル・円は下落

【今日の欧米市場の予定】

17:30 英国中央銀行金融政策委員会(MPC)の議事録公表(9月開催分)
18:00 ユーロ圏・7月建設支出(6月:前月比+0.7%)
20:00 米・先週分MBA住宅ローン申請指数(前回:-13.5%)
21:30 米・8月住宅着工件数(予想:92万戸、7月:89.6万戸)
21:30 米・8月住宅建設許可件数(予想:95万戸、7月:95.4万戸)
03:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)会合の結果発表
03:30 バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見《KO》

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