欧米為替見通し:ロシアより警鐘を込めて

2013年9月12日 17:16

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記事提供元:フィスコ


*17:16JST 欧米為替見通し:ロシアより警鐘を込めて

本日12日の欧米市場のドル・円は、国連のシリア報告書の公表を控えて、ニューヨークカット(NY午前10時、東京午後11時)で満期を迎える99円50銭のオプション(10億ドル)の周辺での推移が予想される。

来週17-18日の連邦公開市場委員会(FOMC)では、低調な米国雇用情勢にも関わらず、市場に対する打診的な意味で、資産購入プログラムが50-200億ドル程度減額されるとの見方が示されている。

シリアの化学兵器使用を巡る国連調査団の報告書は、今週末から来週初に公表される模様だが、化学兵器使用に関してシリア政府と反体制派のどちらに責任があるか示唆する内容になる、と報じられている。

本日は、ジュネーブでケリー米国務長官とラブロフ露外相の会談が予定されている。

プーチン・ロシア大統領は、米ニューヨーク・タイムズ紙への寄稿で、化学兵器の使用は、外国の介入を望む反体制派の仕業との見解をあらためて示した。そして、「主要政治指導者や宗教指導者が反対しているにもかかわらず、米国がシリアを攻撃すれば、罪のない犠牲者がさらに増え、シリア国外に争いが拡大する可能性がある。イラン核問題やイスラエル・パレスチナ問題への国際的打開努力にも悪影響を及ぼし、中東・北アフリカを一段と不安定化させる恐れがある」と、オバマ米大統領に自制心を求めた。

オバマ米大統領とキャメロン英首相は、アサド・シリア大統領が化学兵器を使用した、と主張しており、数日以内に真実が判明することになる。

もし、反体制派が化学兵器を使用していた場合、イラク戦争時の大量破壊兵器のミスに続く、米中央情報局と英軍事情報部の大失態となり、米英の世界の警察官としての地位は失墜する。

【今日の欧米市場の予定】

18:00 ユーロ圏・7月鉱工業生産(前月比予想:-0.3%、6月:+0.7%)
21:30 加・7月新築住宅価格指数(前月比予想:+0.1%、6月:+0.2%)
21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:33万件、前回:32.3万件)
21:30 米・8月輸入物価指数(前年比予想:+0.4%、7月:+1.0%)
03:00 米・8月財政収支(予想:-1500億ドル)《KO》

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