欧米為替見通し:ノーベル平和賞オバマ米大統領の戦術

2013年9月10日 17:11

印刷

記事提供元:フィスコ


*17:11JST 欧米為替見通し:ノーベル平和賞オバマ米大統領の戦術

本日10日の欧米市場のドル・円は、安倍政権による成長戦略第2弾への期待感で強含みに推移すると予想されるものの、ノーベル平和賞のオバマ米大統領による議会に対するシリア軍事介入の承認要請に注目する展開となる。

テクニカル分析では、ドル・円は「三角保ち合い」を上放れて目標値108円84銭が点灯、日経平均株価も「三角保ち合い」を上放れて目標値17589円が点灯したことで、安倍トレード(日本株買い・円売り)が再開する可能性が高まりつつある。

ラブロフ露外相は「ロシアとシリアは米国に軍事行動ではなく和平交渉に焦点を置くよう促す。シリアの化学兵器を国際管理下に置くことを提案」と述べ、ケリー米国務長官も「アサド・シリア大統領は、すべての化学兵器を来週中に国際社会に差し出せば、攻撃を回避できる」、オバマ米大統領も「米国は、もしシリアの化学兵器が国際的な監督下に移されれば、同国に対する軍事作戦を延期する用意がある」と述べている。

世論調査では米国民の多数がシリアへの軍事攻撃に対して反対しており、米国の議会も反対姿勢を強めている。

オバマ米大統領は、アサド・シリア大統領が「レッドライン(越えてはならない一線)」を越えたと批判しているが、「戦争権限法」に基づいて米国議会へ承認を求めたことは、承認ならば、議会との連帯責任となり、否認ならば、軍産複合体へのアリバイ作りとなる、巧妙な戦術を展開しつつある。

【今日の欧米市場の予定】

20:30 米・8月NFIB中小企業楽観視数(予想:95.0、7月:94.1)《KO》

関連記事