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【中国から探る日本株】「旅行法」施行前にツアー駆け込み需要、訪日中国人も増加か
*08:03JST 【中国から探る日本株】「旅行法」施行前にツアー駆け込み需要、訪日中国人も増加か
中国では、国慶節連休がスタートする10月1日付で「旅行法」が施行される。この旅行法では、不必要に土産物店に立ち寄る、物品購入を強制する等の不当な行為を禁止。旅行客の権利保護をうたったものだが、かえってツアー代金の先高感を招いている。これを受けて現地では、旅行法施行前の駆け込み需要が発生。国内旅行、海外旅行ともに賑わいを見せているという。
各旅行会社ではこれまで、土産物店やオプショナルツアーに案内することでバックマージンを受け取り、ツアーにかかる費用を安く抑えていたが、10月以降はこうした手法が使えなくなる。すでにコスト転嫁でツアー代金の引き上げに動いている会社も多いといい、東南アジアや欧米、日本、韓国などのツアーで2-3割ほどの値上げが確認されている。
そうした中で、値上げを見越した国内外ツアーの駆け込み需要が増えている。杭州市(浙江省)のある旅行会社によると、夏休みシーズンが終わったばかりの9月は相対的に需要がしぼみがちだが、今年は予約でいっぱいのツアーも多いという。行き先としては、国内なら北京や西安など、海外なら韓国の江原道や日本の北海道などが人気だそうだ。
一方、10月以降には、旅行客の反動減が見込まれている。1日からの国慶節連休は春節(旧正月)に並ぶ中国の大型連休だが、ただでさえ落ち込んでいる日本への旅行者がさらに縮小することも懸念される。三越伊勢丹<3099>や松屋<8237>、高島屋<8233>といった百貨店のほか、家電量販店、ホテルなど消費関連セクターには逆風となる公算がある。
ちなみに、中国で旅行業界に関連する総合的な法律が施行されるのは今回が初めて。旅行法ではほかに、旅先での公共秩序や社会道徳を順守するよう求める条文が盛り込まれており、海外でも批判の多い中国人観光客のマナー問題にくぎを刺している。《NT》
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