消費税増税目前 住宅購入のタイミングは?

2013年8月10日 20:45

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記事提供元:エコノミックニュース

 消費税増税の最終的な決断が未だ出ない状況ではあるが、住宅購入のタイミングとしてはリミットが刻一刻と近づいてきた。予定通り、8パーセントに増税される消費税増税が2014年4月から施行された場合、現行の5%の消費税で住宅を購入するには、住宅の引渡しが14年の3月31日までに完了すること、また分譲住宅・マンションの場合も、引渡しが14年3月31日までに完了することが条件となっている。さらに注文住宅の場合は、請負契約が13年の9月30日までに完了することが必要となる。

 また、歴史的にみれば未だ低い水準ではあるものの、銀行の住宅ローン金利がゆるやかに上昇気配をみせている。日本銀行による「異次元の金融緩和」以降、長期金利は急上昇し、5月23日には一時1%を付けた。そのことで、住宅ローン金利は「まだ上がるのではないか」という不安もあおられている。実際、長期金利の先高観が強まったことで、固定金利型住宅ローンを選択する割合も増えているという。さらには、地価も上昇気配をみせている。

 どうせ購入するのなら、金利も地価も消費税も安いうちにというのが消費者心理ではあるものの、住宅は一生に一度の大きな買い物だ。焦って購入して、あとで後悔はしたくない。

 近々、マイホームを検討しているが、資金繰りや物件探しのタイミング的に増税前のタイミングには間に合いそうにない。そんな場合は、消費税率の引き上げによる住宅ローン減税等の負担軽減措置を活用する手がある。現行では10年間で最大200万円の控除額合計額が400万円(長期優良住宅、低炭素住宅の場合は最大で500万円)に引き上げられるほか、住宅購入者の収入額をベースに、消費税率8%に上がった時は収入額の目安が510万円以下の場合、最大30万円、10%時は収入額の目安が775万円以下の場合、最大50万円給付する「すまい給付金」を実施することが予定されているのだ。

 ただし、すまい給付金には良質な住宅ストックの形成を促す目的もあるため、利用するためには住宅の「質」に関する一定の要件を満たしたものが対象となる。

 その要件とは、「床面積が50平方メートル以上であること」、「施工中に第三者機関の検査を受けた一定の品質が確認された住宅であること」。また、現金取得者の場合は「フラット35Sの基準を満たす住宅であること」などの条件もある。

 積水ハウス<1928>や大和ハウス工業<1925>、住友林業<1911>など、大手住宅メーカー、また中堅ハウスメーカーでもすでにこれを見越して、要件を満たす住宅の販売を展開していが、どの業者を選ぶにしても、注文住宅の場合は住宅購入者側の要望によって対象から外れてしまうことがあるので、相談が必要だ。

 また、個性的な企画として、中堅ハウスメーカーのアキュラホームが主宰する全国の工務店ネットワーク「ジャーブネット」では、引渡し後1年分の金利利息分を住宅会社が負担する、住宅ローン利息キャッシュバック「1年分金利タダキャンペーン」を期間限定で展開して好評を得ている。こういったキャンペーンを上手く利用するのも賢い方法だ。

 消費税増税が決定すると、おそらく駆け込み需要が慌しくなるのは間違いないだろう。しかし、増税ばかりを気にして焦って動いて失敗はしたくない。かといって、高額な住宅購入の3パーセントの税率アップはかなりの差額になるので、同じ買うのなら5パーセントの内に購入してしまいたい。動くべきか、動かざるべきか。いずれにせよ、住宅の購入を検討している場合は、少し早めにハウスメーカーに相談して、プロの意見と情報収集を行うのが得策なのではないだろうか。(編集担当:藤原伊織)

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