日経平均は世界投機マネーの対象で1万4000円挟んで上下1000円幅の展開=海老原紀雄氏に聞く

2013年8月7日 16:25

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【海老原氏】 為替相場の円高、3月期決算会社の第1四半期(4~6月)決算発表による材料の一巡感などがあると思います。しかし、それ以上に日経平均が世界のマネーにとって上下に動かしやすい存在となっていることがあるのではないでしょうか。

【海老原氏】 為替相場の円高、3月期決算会社の第1四半期(4~6月)決算発表による材料の一巡感などがあると思います。しかし、それ以上に日経平均が世界のマネーにとって上下に動かしやすい存在となっていることがあるのではないでしょうか。[写真拡大]

【株式評論家の海老原紀雄氏に『大幅下げの背景と行方』を聞く】

■7日の下げは200円分が行き過ぎ

――7日(水)の日経平均は576円安と大きく下げました。どう見ていますか。

 【海老原氏】 為替相場の円高、3月期決算会社の第1四半期(4~6月)決算発表による材料の一巡感などがあると思います。しかし、それ以上に日経平均が世界のマネーにとって上下に動かしやすい存在となっていることがあるのではないでしょうか。

――どういうことですか。

 【海老原氏】 世界を見渡せば経済・景気では日本がもっとも安心できる存在です。企業収益も上向いています。このため、日経平均でみればPER15倍の1万3000円台は一応、下値岩盤ともいえるお墨付きの安心できる水準だと思います。ただ、アベノミクス効果を見極めるにはもう少し時間が必要という背景もあります。この前提において世界の投機マネーは1万4000円を中心に上下1000円幅で稼いでいるのだろうと思います。とくに、彼らは日経平均採用225銘柄のうち、どの銘柄を売ったり買ったりすれば影響が大きいかを熟知しています。たとえば、今日のTOPIX(東証株価指数)の下げ幅は30ポイント安でした。通常、日経平均はTOPIXの10倍ですから、本来、今日の日経平均の下げ幅は300円安(30ポイント×10倍)でよかったはずですが、実際は576円も下げました。予想される計算値より200円以上も大きく下げたことになります。日経平均採用銘柄の中でとくに影響度の大きい銘柄に売り圧力をかけた可能性があると思いますよ。驚いて狼狽売りすれば、今度は下値で買われることになるでしょうね。

――日本株は世界のマネーにとって、もっともおもしろい存在ということですか。

 【海老原氏】 そうです。少し前までは「原油相場」が世界マネーの投機対象でしたが、あまり妙味がなくなってきたことから日本の株に目が向いたのではないでしょうか。当然、投機マネーは買い一辺倒ではありません。今回のように、上に行きに難くなったとみれば売り崩して下げさせて儲けるはずです。日経平均先物は「シカゴ」、「シンガポール」 「トウキョウ」と3ヶ所で売買されていますから投機マネーにとっては大変なご馳走だと思いますよ。

■9月は『内需株』の一大相場も

――今後、個人投資家はどう対処すればよいのでしょう。

 【海老原氏】 繰り返しますが基調としてはアベノミクスを背景に強い相場だと思います。したがって、今後も相場がこれ以上下がらないないとみれば彼らはドテンして買って来るでしょう。しかし、上値が重くなれば売り崩してくると思われます。常に彼らは逆張りの発想ですから、日経平均の値動き、売買代金などを注意深く見ておくことが大切だと思います。

――今後の相場のポイントは。

 【海老原氏】 9月7日がポイントになるとみています。東京にオリンピックが決まるかどうかの日です。決まれば建設株中心に急伸相場となるでしょう。東日本復興も加わって、『日本再興相場』が展開されるとみています。円安→輸出関連というシナリオがマーケットでは、お題目のように取り上げられていますが、東京オリンピックが決まれば、輸出株ではなく、『大・内需相場』が来ると思います。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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