NHKとJAXA、世界初の超高感度4Kカメラを宇宙へ打ち上げ アイソン彗星を撮影

2013年8月1日 17:07

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 NHKと宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1日、両者が共同で準備を進めてきた宇宙用の超高感度4Kカメラシステムを国際宇宙ステーションに向けて打ち上げると発表した。このカメラは、8月4日午前4時48分(予定)、種子島宇宙センターからH-IIBロケットで打ち上げられる補給機“こうのとり”4号機(HTV4)に搭載されて国際宇宙ステーションに届けられる。

 今回撮影に用いるカメラは、4Kという現行のハイビジョンの4倍の画素数を擁する高解像度カメラで、さらに従来機の8倍を超える超高感度化をはじめ彗星撮影のために特別な改造がなされたもの。

 この超高感度4Kカメラが狙うのは、昨年9月に発見された新たな彗星で、今年12月に地球に接近する“アイソン彗星”。同彗星は、今回初めて太陽の間近まで近づくため、大量のチリとガスを吹き出し巨大な“尾”をたなびかせる世紀の大彗星になると期待されている。

 彗星が接近する今年12月には、JAXAの若田光一宇宙飛行士が国際宇宙ステーションに滞在しており、若田飛行士がこの超高感度4Kカメラを使って彗星を撮影する。“大気の揺らぎ”のない宇宙は、いわば「観測の特等席」。地上からは決して見ることができない最高の映像を最先端のカメラで届ける。撮影した彗星の映像は、12月に「NHKスペシャル」などの番組で紹介する予定。

 なお、国際宇宙ステーションに4Kカメラを持ち込み、撮影するのは世界初の試みとなる。NHKとJAXAではこれまでも、世界最先端の撮影機材の打ち上げ、および国際宇宙ステーションからの撮影に取り組み、2006年には世界初のハイビジョン生中継、2011年にはハイビジョン超高感度カメラによる流星やオーロラなどの撮影に成功している。今回、宇宙という遥か遠い世界の魅力をより鮮やかに記録するため、世界に先駆けて新たな一歩に挑戦する。

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