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週刊ダイヤモンド今週号より~韓国サムスンに続きLG受注も、シャープ液晶事業の深まる憂鬱
記事提供元:フィスコ
*08:00JST 週刊ダイヤモンド今週号より~韓国サムスンに続きLG受注も、シャープ液晶事業の深まる憂鬱
今年6月ごろから、シャープ<6753>の液晶パネルの主力生産拠点である亀山第2工場では、昨年夏に3割ほどしか動いていなかった“凍れる生産ライン”が息を吹き返しつつあるもようです。「サムスン向けで年間400万台分を超えるかもしれない」との話が伝わるほど、昨年末からサムスン電子はテレビ用の液晶パネルを安価に調達するために大量発注しています。
また、ダイヤモンド誌の取材では、LG電子も後を追うように大きな注文をかけていることが明らかになっています。世界のテレビ市場で合計約45%を占めるトップ2社からの同時受注で、足元の稼働率は一気に7割超という水準まで上がっており、シャープの経営危機は小康状態になったかのように見えます。
しかし、シャープでは2年前から、高い省エネルギー性能を誇る「IGZO液晶」を量産して、急成長していたスマホやタブレット端末に供給することで利益を生む方針を打ち出しており、亀山第2工場はとっくにIGZO液晶の供給で大繁盛しているはずだったのです。
現在の亀山第2工場を埋め尽くしているのは利幅が極めて薄い液晶パネルがほとんどであり、IGZO液晶に関しては、6月27日に中国の大手電機メーカーと設立する合弁会社に技術供与すると発表しています。
中期経営計画では、3年後に1兆500億円を売り上げて黒字になるはずの液晶事業ですが、実際のところは、未来の“果実”を売らざるを得ないほど、苦しいかじ取りを迫られる状況となっているようです。《NT》
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