米株式:上昇、労働市場は健康的な状態だとは言えない

2013年6月27日 23:44

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記事提供元:フィスコ


*23:44JST 米株式:上昇、労働市場は健康的な状態だとは言えない

米株式市場

19日から24日までの短期間での売られすぎを受けた買い戻しの動きが続き、3日連続でギャップアップしている。一方でSP500は売られすぎ後に24日の安値から現在までで60程値を戻して50日移動平均線(1620付近)回復を伺っている。短期的には大きく値を戻しており、1625-30付近がレジスタンスになる。

今週は週初24日を皮切りに連銀幹部による講演(発言)が多く予定されている。19日のバーナンキ議長によるプレスカンファレンス後に連銀幹部はマーケットの沈静化に努めているとも捉えられる発言が続いており、26日は市場予想を下回る第1四半期のGDP確定値が発表された後に投票権を持たないリッチモンドのラッカー連銀総裁も「GDPよりも労働市場の行方に注目」と発言。27日に連邦公開市場委員会で投票権を持つメンバーのダドリー・ニューヨーク連銀総裁が労働市場に関して、「健康的な状態だとは言えない」と発言。資産購入縮小に関しては「tighteningとは違う」とし、「縮小は後半から開始し、14年半ばに終了することが妥当と言えるが、タイミングはカレンダー的なものでなく、あくまでも経済見通しの変更にともなう」との見解を示し、19日の公式見解から大きく変えていない。

28日に持たないメンバーであるものの縮小支持を示唆していたサンフランシスコ連銀のウィリアムス総裁が金融政策に関して発言する予定となっており、火消しへの努めが続くか注目される。なお、ブラックロックは資産購入縮小は経済にとってポジティブとの見解を示しているが、株式市場においてはQE1&2終了時には大きく下落していた。

連銀による昨日と本日の債券購入は大規模となっており、26日は31.36億ドル、27日は42.5-52.5億ドルで予定されている。

マクロ経済に関してはゴールドマン・サックスが第2四半期のGDP予想を1.8%から1.7%に引き下げている。

個別銘柄では、住宅建設KBホーム(KBH)が市場予想を上回る第2四半期決算を発表している。

海外ではフィッチが中国の今年の成長見通しを7.5%に引き下げ、14年は維持(7.5%)している。前月は国際通貨基金(IMF)は、中国の2013と2014年のGDP予想を8%から7.75%に引き下げていた。

S&P 500は16.03高の1619.29前後で推移、ナスダック総合指数33.00ポイント高の3409.22ポイント前後で推移、ダウ平均株価は157.93ドル高の15068.07ドル。(日本時間22時35分時点)。《KG》

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