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欧米為替見通し:市場の既視感
*17:24JST 欧米為替見通し:市場の既視感
本日27日の欧米市場のドル・円は、週末、月末、四半期末、半期末に向けて、動意に乏しい展開が予想される。
欧州債務危機と米国金融危機を想起させる「既視感」が漂っている。
デリバティブズ取引は、ギリシャがユーロ圏に加盟するための「安定・成長協定」(財政赤字:対GDP比3.0%、債務残高:60%)をクリアするために「財政赤字」を先送りしたが、イタリアも締結していたと報じられている。
シャドーバンキングは、米国の住宅市場のリスクを隠し通せなかったが、中国の不動産市場のリスクも見え隠れし始めている。
2007年夏に顕在化した米国のサブプライム住宅ローンに端を発する米国金融危機は、住宅ローン担保証券(MBS)などでリスクを希薄化させた「シャドーバンキング」、特別目的事業体(SPV)が話題に上り始めた頃から始まった。
2007年が米国住宅バブル市場の天井圏であり、バブルが崩壊する「ミンスキー・モーメント」だった。
そして、中国では、シャドーバンキング(影子銀行)への警鐘が鳴り始めており、隠されていたリスク、損失を誰が負担するのか、疑心暗鬼に陥っている。
ギリシャ政府は、ユーロ圏に加盟するために、デリバティブズ取引を通じて財政赤字を先送りしたが、2009年の政権交代で露呈した巨額な財政赤字により、欧州金融危機が勃発した。ドラギ欧州中銀総裁は、デリバティブズ取引を締結した米投資銀行の副会長だった。
イタリア政府は、ユーロ圏に加盟するためにデリバティブズ取引を行い、その再編により、80億ユーロの損失が発生する可能性、とフィナンシャル・タイムズ紙が報じている。
イタリア政府は、デリバティブズ取引による粉飾決算は無かった、と弁明しているが、ドラギ欧州中銀総裁が当時のイタリア財務省財務局長だったことで、予断を許せない状況になりつつある。
【今日の欧米市場の予定】
17:30 英・1-3月期国内総生産確定値(前年比予想:+0.6%)
18:00 ユーロ圏・6月経済信頼感(予想:90.4、5月:89.4)
21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:34.5万件、前回:35.4万件)
21:30 米・5月個人消費支出(予想:+0.3%、4月:-0.2%)
21:30 米・5月個人所得(予想:+0.2%、4月:0.0%)
21:30 米・5月PCEデフレータ(前年比予想:+1.1%、4月:+1.1%)
23:00 米・5月中古住宅販売成約指数(前月比予想:+1.0%、4月:+0.3%)
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル理事が講演予定
米アトランタ連銀のロックハート総裁が講演予定
欧州連合(EU)首脳会議(28日まで)《KO》
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