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都市緑化 安藤忠雄氏がみる新しい夢
今年も、もうすぐ夏がやってくる。高温多湿な日本の夏は、ハワイやロサンゼルスのように快適というわけでは残念ながらない。しかし工夫次第でいくらでも気持ちのいい夏は創れるのだ。エアコンなど人工的なもの頼るのではなく、自然の恵みを活用するという方法で。
大和ハウスグループと建築家・安藤忠雄氏が、協働で進めてきた日本初の円筒形超高層ビル“大阪マルビル”の1階から6階(地上約30m)までの壁面緑化工事「都市の大樹」が完成した。これは大阪マルビルを大木に見立て、ツルや蔦などで壁面を覆い、大阪の新たなシンボルにしようと企画されたプロジェクト。同社グループが同氏の呼びかけに賛同し、取り組んだ。これからも都市の大樹として成長を続け、少しずつ高くなっていくという。総事業費は約2億円で、設計施工はフジタと大和リースが担当した。
壁面緑化とは、建築物の断熱性や景観の向上などを目的として、壁面に植物を植え緑化することだが、同じように屋上を緑化することを屋上緑化という。これは現代の環境問題への対応として考案されたものと考えられがちだが、実は草に覆われた土屋根、ツタの絡まる壁をもつ建築物は世界で古くから存在している。日本でも古来から、夏にはヒョウタンやヘチマの緑陰で家屋に涼を呼ぶ習慣があった。逆に極寒の国では屋根に生やした草が断熱材となり寒さを防ぐこともある。国内では、静岡文化芸術大学の屋上庭園「創造の丘」、京都府庁の屋上芝生公園や福岡市のアクロス福岡の階段状の屋上庭園がよく知られている。建造物の緑化は、ヒートアイランド現象への対策や、断熱性の向上はもちろん、建物の耐久性や防音性を高めるという隠れた効果もある。
安藤忠雄氏は「今は高さ30m部分までの緑化だが、植物が成長して緑化部分の高さが毎年2〜3m程度上がっていく。それは希望に向かって伸びていくかのようで、100mを超えれば世界に類のないものとなるだろう。世界一の駅・大阪駅の前に世界一の大樹があるのは素晴らしいことだと思う」と述べている。
安藤忠雄氏がみる夢は、何も建造物の緑化だけではないだろう。それはきっと都市そのものを、可能な限り緑で包みこむという都市緑化なのだ。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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