新日鉄住金、名古屋製鉄所第5コークス炉が竣工 次世代コークス製造技術を導入

2013年6月18日 12:35

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 新日鉄住金は18日、同社の名古屋製鉄所において、本日、次世代コークス製造技術「SCOPE21」を導入したコークス炉(第5コークス炉)が竣工したと発表した。

 名古屋製鉄所第5コークス炉の生産能力は約100万トン/年。投資額は約600億円。同コークス炉は既設コークス炉に対して生産性1.7倍で、非微粘結炭の使用比率を50%まで拡大している。また、既設コークス炉に対して原油換算で約数万キロリットル/年の省エネと、10~20万トン/年のCO2削減を実現している。

 「SCOPE21」は、鉄鋼業を取り巻く資源・エネルギー問題への対応力強化等を目的に、経済産業省管轄の国家プロジェクトとして開発された技術。原料炭の事前急速加熱によるコークスの品質向上及びコークス製造時間の短縮など様々な革新的技術が盛り込まれており、従来にないレベルでの低品位原料炭の利用拡大や大幅な省エネルギー効果などを発揮する。

 新日鉄住金は、2008年5月に世界で初めて大分製鉄所において、「SCOPE21」の成果を最大限取り入れた実機第1号プラントを竣工しており、今回が第2号プラントの竣工となる。

 新日鉄住金はこれまで、DAPS(原料炭を水分低減後にコークス炉に装入することによりコークス強度を高める方法)など先進技術をいち早く開発、導入し、低品位原料炭への対応力を強化してきた。今回の「SCOPE21」型コークス炉の立ち上げにより、低品位原料炭使用比率の一層の拡大と大幅な省エネルギーを推進していく。

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