三井物産、ブラジルの大規模水力発電事業へ出資参画

2013年5月13日 18:58

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発電所所在地(画像:三井物産)

発電所所在地(画像:三井物産)[写真拡大]

 三井物産は13日、仏電力大手GDFスエズの子会社であるGDFスエズラテンアメリカと、ブラジルにおける流れ込み式水力発電事業に出資参画することで合意し、5月13日に関連諸契約を締結したと発表した。ブラジルにおいては、水力発電は発電量の約9割を占める基幹電源であり、三井物産は同事業への参画を通じて需要拡大が見込まれる電力の安定供給に貢献していく。

 三井物産は新規に設立する投資子会社を通じて、同事業を推進するESBR Participacoes S.A.の20%株式をGDFスエズラテンアメリカから取得する。同事業の総建設費は2012年12月時点で約160億ブラジルレアル(約8,000億円)と見込まれている。

 同事業は、ブラジル北部マデイラ川で「ジラウ水力発電所」を開発・運営し、IPP(独立系発電)事業として電力を販売していくものであり、既に配電会社をはじめとする電力購入者との30年間の長期売電契約を締結している。

 同発電所の総発電容量は3,750MWであり、完成するとブラジルで4位の規模を持つ大型水力発電所となる。また、ブラジル国立経済社会開発銀行(BNDES)及び市中銀行によるプロジェクトファイナンスを組成済みであるほか、関連当局より環境許認可及び営業許可を取得済みであり、2015年に全50機の運転開始を予定している。

 三井物産は同事業への参画により、カナダ、欧州、中東・アフリカ、アジア、及びオーストラリアなどで事業を共同展開するGDFスエズとのパートナーシップをより強化し、共同事業を南米へ拡大すると共に、両社の発電ポートフォリオを拡充する。

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