三菱商事、イラクで大規模天然ガス回収・有効利用プロジェクトを開始

2013年5月2日 12:12

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バスラ位置(画像:三菱商事)

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 三菱商事は、2011年11月にロイヤル・ダッチ・シェルおよびイラク石油省傘下のサウス・ガス・カンパニー社(SGC社)との間で、イラク南部の油田随伴ガス回収・有効利用プロジェクトを推進する合弁会社設立(バスラ・ガス・カンパニー社、以下BGC社)につき合意し、事業化調査を進めてきたが、今回同事業化調査が完了したことに伴い、BGC社が操業を開始したと、2日発表した。今後はBGC社が事業推進体となり、随伴ガス回収・精製事業を行う。

 BGC社はイラク南部の3つの油田(ルメイラ、ズバイルおよびウェストクルナフェーズ1)から随伴で産出されるガスを全量回収・精製・分離し、発電用ガス・液化石油ガス(LPG)・コンデンセートを製造する。事業化調査と並行して施した初期的な補修により、BGC社のガス処理能力は日量1.5億立方フィート増加し、現在、日量4億立方フィート超となっている。今後、最大取扱数量である日量20億立方フィートのガス処理能力を備えるべく設備投資を進めていく。

 BGC社は、イラク国内にてフレアー(燃焼処理)されている膨大な随伴ガスを製品化して同国内に供給することで、同国のエネルギー安定供給および経済発展に重要な役割を果たす。また、イラク国内の需要が満たされ、同国政府の承認を取得した暁には、液化石油ガス(LPG)・コンデンセートの輸出や、将来的には液化天然ガス(LNG)としての輸出を行うことを計画している。

 三菱商事は、技術的かつ商業的な機能を補完的に提供することにより、BGC社の価値向上を支援する。また、同プロジェクトを通じ、将来的には日本へのエネルギー安定供給に貢献することを目指す。

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