トヨタ、高齢者の交差点事故低減を目指した社会実験を実施

2013年4月23日 10:50

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交差点での注意喚起表示(写真:トヨタ自動車)

交差点での注意喚起表示(写真:トヨタ自動車)[写真拡大]

 トヨタ自動車は、増え続ける高齢者事故の低減を目指し、特に高齢ドライバーの事故が多い交差点事故を対象とした社会実験を4月22日に公開した。

 この社会実験は、愛知県豊田市内で50人の高齢ドライバーを募り、公益財団法人豊田都市交通研究所、トヨタ中央自動車学校、豊田中央研究所などの協力を得て、今年2月から5月完了の予定で進めているもの。

 高齢ドライバーの交通事故の約半数は交差点内および交差点付近で発生しており、その事故発生原因をみると安全不確認が約50%を占め、圧倒的多数となっている。今回の社会実験では、50人の高齢ドライバーの車両にドライブレコーダーを搭載することにより、交差点における高齢ドライバーの運転行動を分析。その結果を踏まえ、この社会実験に参加した高齢ドライバーを対象とする安全運転講習会を4月22日にトヨタ中央自動車学校で開催し、安全確認の重要性を啓発するとともに、その講習の効果も追跡調査する。

 また、車載カメラで一時停止標識や赤信号を認識し、ドライバーが高い速度で交差点に進入しそうになると、危険と判断して音と表示でドライバーに注意喚起する「交差点・注意喚起システム」も提供。その効果と高齢ドライバーへの受容性を調査・分析して将来の技術開発へ生かしていく。

 今回の社会実験では、トヨタが全体の企画・まとめ、豊田都市交通研究所が実証実験の運営・推進、豊田中央研究所が高齢ドライバーの運転行動の分析、トヨタ中央自動車学校が安全運転講習の企画・運営を担当している。

 なお、同社会実験では、豊田市の過去の事故発生交差点分布と高齢者の居住分布を参考にし、豊田市末野原地区と竜神地区を中心とした一時停止交差点と信号交差点周辺を実験地域に選定した。

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