JOGMECや三菱商事、カナダでシェールガス開発技術研究を開始

2013年4月4日 11:14

印刷

 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)、三菱商事のカナダ現地法人Cutbank Dawson Gas Resources Ltd.(CDGR社)およびEncana Corporation(エンカナ社)は、カナダのブリティッシュ・コロンビア州モントニー地域のシェールガス開発事業において共同研究を実施することで合意し、4月3日に共同研究契約に調印した。

 同共同研究では、モントニー地域のシェール層から採取したサンプルの岩石物性の測定や地震探鉱データを用いた評価技術の確立などをテーマに研究を進めていく予定。

 JOGMECは、現在北米を中心に開発が進んでいる非在来型油ガス田としてのシェールガスの開発技術に注目し、その技術開発を進めている。シェールガス層は在来型油ガス田の貯留層と異なり、ナノレベルの微細な岩石(頁岩)の隙間にガスが溜まっている。そのため、シェールガス層からガスを取り出すには、水平坑井の掘削や水圧破砕技術の適用が不可欠になっているが、ガスの埋蔵状況や流れの把握、水圧破砕の効果の解明などに関しては基礎的な部分からの研究開発が必要とされている。

 JOGMEC、CDGR社およびエンカナ社は、JOGMECが有する岩石物性の測定技術や、基盤岩貯留岩のフラクチャー解析などで培った地震探鉱データの利用技術がシェール層の評価にも有効であると考えており、モントニー地域での操業により得られる実データを用い、さらにエンカナ社のシェールガス開発に対する知見を活用した共同研究を実施することにより、同地域でのシェールガス開発の最適化、効率化を実現することを目指す。

 なお、エンカナ社は、カナダでは最大、北米全体でも3番目の規模の天然ガス事業者で、ブリティッシュ・コロンビア州での天然ガス開発を中心に事業展開をしており、シェールガス開発分野におけるリーディングカンパニー。

 また、CDGR社は、モントニー地域でシェールガスを中心とした天然ガス開発プロジェクトを推進するカットバンク・リッジ・パートナーシップの権益40%を2012年2月にエンカナ社より取得し、同地域での天然ガス開発プロジェクトに参画している。JOGMECはCDGR社の開発事業を債務保証対象事業として採択し、資金面からも同開発事業を支援している。

関連記事