アライドテレシスホールディングス:前期12年12月期連結業績は案件規模の縮小化により減収となる

2013年2月18日 13:48

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

インターネット機器の製造・販売を行うアライドテレシスホールディングス<6835>(東2)は、機器の販売だけでなく、同社が開発した製品を使ったソリューションを提供することで業績の拡大を目指している。

インターネット機器の製造・販売を行うアライドテレシスホールディングス<6835>(東2)は、機器の販売だけでなく、同社が開発した製品を使ったソリューションを提供することで業績の拡大を目指している。[写真拡大]

■利益面については円安による為替差益により、経常利益17.3%増と2ケタ増益

  インターネット機器の製造・販売を行うアライドテレシスホールディングス<6835>(東2)は、機器の販売だけでなく、同社が開発した製品を使ったソリューションを提供することで業績の拡大を目指している。

  前期12年12月期連結業績は、案件規模の縮小化により売上高282億88百万円(前年同期比17.0%減)と減収となった。しかし、高収益品の販売やサービス売上高の増加により、売上総利益率は61.2%から4.4ポイントアップの65.6%と改善している。営業利益は1億96百万円(同87.1%減)と大幅な減益となったが、円安による為替差益により、経常利益は11億3百万円(同17.3%増)と2ケタ増益となり、純利益も7億29百万円(同6.7%増)となった。

  日本では医療市場での受注額は増加したものの、文教市場、製造業などで減少したことで、売上高は163億43百万円(同9.2%減)となった。

  米州では、前年度の売上拡大となった小売りチェーン向けの販売分が減少した。また、米国の緊縮財政によりISP向け販売や地方政府関連の販売が減少したことで、売上高は47億72百万円(同40.7%減)と大幅な減収であった。

  EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)に関しては、フランスの技術系専門学校やイタリアの中央省庁への大型案件を受注したが、スペイン、フランスをはじめとして欧州全域で受注案件数と受注額が減少したため、売上高は49億49百万円(同15.9%減)。

  APAC(アジア・オセアニア)については、韓国や中国の売上が減少したものの、東南アジア(マレーシア、インドネシア、シンガポール、オーストラリア)で継続案件が好調に推移したことに加え、ネットワーク工事等のサービスが増加したことで、売上高は22億23百万円(同3.7%増)と増収となった。

■今期13年12月期連結業績予想は2ケタ増収を見込む

  以上のように、APACを除いた地域では減収となったことで、前期は2ケタ減収となったが、今期13年12月期連結業績予想は、売上高330億(前期比16.7%増)、営業利益3億50百万円(同78.6%増)と2ケタ増収大幅増益を見込んでいる。経常利益、純利益については前期の為替差益が減少することから6億円(同45.6%減)、2億50百万円(同65.7%減)を見込んでいる。

  日本については、円安傾向により、製造業の業績回復から設備投資の拡大が見込まれ、政府の成長戦略としての政策効果への期待がある。そのため、医療、自治体、製造業等へのダイレクト営業を強化する。また、ITコンサルティング等の付加価値サービスとストレージを取り入れたソリューションビジネスを強化する。新たなサービスとして、コンテナデータセンターの販売を開始する。その結果、売上高は181億円(同10.8%増)を計画している。

  米州については、景気回復の兆しがある一方で財政問題への懸念などから景気動向は不透明と見ている。その様な状況で、地方政府、航空宇宙工業会(AIA)等への販売を強化する。一方で、中南米市場の新規開拓に努める方針。売上高は65.6ミリオンダラー(同9.7%増)を見込んでいる。

  EMEAについても、欧州債務危機問題は小康状態であり、経済動向は不透明と見ている。その様な環境で、機器販売に加え、サービスの販売を強化して収益の改善を図る計画。また、経営効率の向上のためバックオフィスを統合する。売上高は70ミリオンダラー(同13.0%増)を予想している。

  APECについては、東南アジアの堅調な経済成長を受けて販売が好調に推移すると見ている。そのため、東南アジアを中心に販路の拡大を図る。また、経済成長が見込まれる地域に拠点の開設を継続する。更に、日本との連携により、日本企業の海外進出をサポートしていく。売上高は30ミリオンダラー(同8.7%増)と今期も増収を見込んでいる。

■ネットワーク仮想化技術の一つとしてu-VCFという技術を発表

  今期もっとも注力している新技術について、木村進一代表取締役は以下のように語っている。

  「中期計画の柱であるソリューションの拡大強化についての技術、製品の開発をこれまで進めてまいりました。その結果、ネットワーク仮想化技術の一つとしてunified Virtual Core Fabric(u-VCF)という技術を先ごろ発表しました。昨今ネットワーク仮想化ということが話題になっています。その利点としましては、ネットワークシステムの一元管理、また、その運用コストを大幅に削減できるということです。私共のu-VCFもそれを実現する技術であります。これまでのネットワークの運用管理では、クラウド化によりアプリケーションやサーバの共有が進んでいますが、まだネットワークそのものに関しましては、それぞれを構成する機器、それぞれの設定やメンテナンス、運用が必要になっています。これが現在の状況でございます。その様な場合、ネットワークの拡張をする場合、もしくは拡張するためにネットワークの機器を追加する場合、ネットワークの機器が壊れて入れ替える場合、これをそれぞれの拠点でその機器を入れ替えて、またネットワークのスペシャリストがその設定をしていくということがこれまで必要だったわけです。その様なことをする必要もなく、拡張できるのが、u-VCFという技術です。u-VCFという機能を、ネットワーク機器に追加します。更にこれをコントロールする機器として、昨年リリースしておりますSBx8100という機器を投入しますとSBx8100からネットワークシステム全体を一元管理することが可能となります。全ての機器への設定もこのSBS8100で出来ます。ネットワークのところに変更する場合もスイッチの設定をすれば出来ます。これまで遠隔地に拠点毎に常駐させていたスペシャリストが必要無くなります。工事だけすればすべて設定は一元化されているので1カ所で出来ることになります」とu-VCFの利便性を説明した。

■今期から医療、製造業向けに運用費削減ソリューションとして提供

  「更に、このところ話題となっていますオープンフローといったSDNの規格では、このネットワークの管理は別のコントロールソフトが必要でありますが、私共のu-VCFはSBx8100の中で全てこれを行いますので、ネットワークの機器だけで管理運営が出来ます。私共が提供していますxシリーズという製品は、多くの顧客に利用されていますが、u-VCFを後から追加することが出来ますので、今後拡張する場合、仮想化する場合もこれまでの資産を有効に活用することが出来ます。例えば、コアのネットワークシステムがあって、10台ばかりのフロアー集約用のスイッチ、更には20台ばかりのエッジスイッチを置いた構成のネットワークを仮想化した場合、話題になっているオープンフローに対応した機器、またコントローラーで構成した場合、導入費用として約6000万円かかります。これは、日本で一番低価格の物で算出した例です。私共のu-VCFで構成した場合は、4分の1の1500万円で済みます。更に加えて、それまで導入しているxシリーズが使えますので、導入費用は更に安く済みます。また、導入後の運用・管理費、人件費といったコストが削減できることから、医療、製造業向けに運用費削減ソリューションとして提供していきます」と今期売上拡大が期待されるu-VCFという戦略的な技術について詳しい説明を行った。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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