横河電機、米EMS会社ソテイカと提携

2013年2月13日 10:45

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 横河電機は12日、米国のエネルギー・マネジメント・ソリューション(EMS)会社Soteica Visual MESA(ソテイカ・ビジュアル・メサ、本社:テキサス州ヒューストン)と、YOKOGAWAのグローバルネットワークを通じて同社のユーティリティ向けエネルギー・マネジメント・ソリューション(商品名:Visual MESA)を販売する契約を締結したと発表した。今回の販売提携を機に、横河電機はソテイカに44.3%の出資を行った。

 世界の製造業各社は、プラントで消費する各種エネルギーの使用量削減、効率向上が直接製造コストの低減につながるため、EMSに対して高い関心と強いニーズを持っている。加えて、環境保全のために二酸化炭素や窒素酸化物などの排出量削減を図るため、在来エネルギーと新エネルギーを最適に組み合わせて使用する「エネルギーのベストミックス」を目指す動きが加速することが予想されている。

 プラントにおけるエネルギー管理には、メインプロセスの装置に蒸気、空気、電気、燃料などの動力源を供給するユーティリティ設備のエネルギー効率最適化と、メインプロセス自体で消費するエネルギー最適化の2つの側面がある。横河電機は、メインプロセス向けの制御システムや高度制御ソリューションパッケージの分野で高い競争力を持っており、プラント操業の最適化を通じた省エネルギー化に貢献してきた。一方、ユーティリティ設備に関しては、プロセスの稼働状態や燃料価格変動など様々な制約条件のもとに電気、石油、再生可能エネルギーなどの使用割合を最適化する高度なEMSを国内の顧客に対し提供してきた。

 横河電機は今回、成長が期待されるEMS分野において、顧客に提案可能なソリューションの幅をさらに広げるため、ユーティリティのEMS分野で世界屈指の技術力を持ち、石油メジャー各社に高い知名度と実績をもつソテイカと、豊富な実績があるエネルギー効率最適化ソリューション「Visual MESA」の販売で提携し、日本を含む世界の顧客に幅広くソリューションサービスを提供していくことを決定した。

 ソテイカとしてもYOKOGAWAのグローバルネットワークを通じて、「Visual MESA」の販路を広げることができ、特にアジア市場での販売強化を図ることができる。

 横河電機によると、Visual MESA導入により、ユーティリティ設備のエネルギーコストを年間2~5%程度減らすことができるという。年間のエネルギーコストを4000万ドル(約36億4000万円)とした場合、80万ドル(約7280万円)から200万ドル(約1億8200万円)のコスト削減効果が得られることになる。世界には年間のユーティリティエネルギーコストが4000万ドルを超える工場が約3400か所あり、これらを含め、広くエネルギーコスト削減に取り組むことが可能になる。

 横河電機はVisual MESAの販売に加え、ソテイカと共に、プラントのエネルギー効率最適化についての導入支援、エンジニアリングサービス、メンテナンスサービスなどの高付加価値サービスを提供していく。さらに、エネルギー効率最適化の対象をメインプロセスとユーティリティを含めたプラント全体に広げた新たなエネルギー・マネジメント・ソリューション・サービスも提供していく。

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