物流分野でCO2排出削減に貢献、住宅業界で初めてパナホームが受賞

2012年12月17日 11:00

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記事提供元:エコノミックニュース

 12月11日、経済産業省、国土交通省、公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会および一般社団法人日本物流団体連合会主催による「第11回グリーン物流パートナーシップ会議」が開催された。同会議は国内の物流分野におけるCO2排出削減のため、平成17年4月に経済産業省、国土交通省、産業界が設立した会議体。荷主・物流事業者のパートナーシップに基づいたグリーン物流の啓発や優良事例の表彰・普及広報の推進等を行っており、平成24年11月12日現在、会員数は企業・団体が3,154、個人では113となっている。

 同会議では、物流分野における地球温暖化対策に顕著な功績があった優良な取組みに対し、経済産業省および国土交通省が「グリーン物流優良事業者表彰」として表彰を行う。今回、経済産業省商務流通保安審議官表彰を住宅業界で初めてパナホームが受賞。同社が物流事業者8社と連携し、住宅建設現場への製品・部材供給において、廃棄物の集約拠点となる「ECOセンター」を設立。「ECOセンター」に、建設現場からの戻り便で回収した廃棄物の集約機能および物流の中継機能を持たせることで車両の大型化や台数の削減を可能とし、CO2の排出を31.7%削減(従前比)したことが評価された。

 評価ポイントは、住宅業界で初めて物流事業者と連携した資源リサイクル体制を構築し、静脈物流の活用と「ECOセンター」によるマテリアルリサイクル率を向上させている点。また、「ECOセンター」を関東、中部、近畿、九州地区の全7拠点に展開し、広域処理体制で資源リサイクル活動を推進していることも対象になっている。

 また、国土交通省政策統括官表彰は、複数の家電メーカーから各量販店への異なる製品配送システムを一元化するとともに、配送拠点を集約化することで大規模な共同配送を実現、CO2排出量の削減を達成した事業が認められた三井倉庫ロジスティクス、シャープ、富士通パーソナルズが受賞している。評価ポイントとしては、配送システムを一元化するため、EDIを核としたラベル情報の疎通管理等を行うシステムを開発した点。また、共同配送に参加した企業間における情報の機密性の担保や、納品先への配送ルートや時間帯の最適化等の課題について、物流事業者、家電メーカーを中心に数々の検討を重ね、協力したことにより実現した取組みであることなどが挙げられている。

 地球規模で温暖化対策が進む中、多くの企業や団体がCO2排出量の削減に取り組んでいる。こうした表彰の存在が、事業を確立しながらも、様々な方向から地球温暖化対策を見出し、取組む姿勢の重要性を再認識するきっかけとなることに期待したい。

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