JT、エジプトの大手水たばこ会社を買収 ポートフォリオを拡大

2012年11月16日 18:14

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 日本たばこ産業(JT)は16日、エジプトの水たばこ大手ナハラ社を買収すると発表した。同社の全発行済株式を取得し、完全子会社化する。なお、同買収は必要な手続きを経て2012年度中に完了する見込み。

 エジプトに本社を置くナハラ社は、世界的に大手である、水たばこ製品の製造・販売会社。2つの製造拠点を保有する母国市場のエジプトにおいて有力なプレゼンスを有するとともに、古くから水たばこが嗜まれている中東及び北アフリカを中心に85カ国への輸出を行っている。また、約1世紀にわたり水たばこ事業を営んできたナハラ社は、水たばこにおけるアロマティック製品セグメントの草分け的存在であり、エジプトにおいては約70%のセグメントシェアを有している。主力ブランドである「El Nakhla」、「Classic」、「Mizo」などを含む幅広いブランドポートフォリオを有し、ナハラ社の2011年総販売数量は約24,000トン(紙巻きたばこ本数に換算すればおおよそ240億本相当)となっている。

 今回の買収を通じてJTグループは、水たばこ事業における成長機会を獲得し、ブランドポートフォリオを拡大することとなる。これは、成人の顧客の幅広いたばこ製品ニーズに的確に対応するという、海外たばこ事業における基本戦略に沿ったもの。

 さらに、今回の買収は、JTグループの中東及びアフリカ市場における地理的な事業基盤を強固にし、長期的には相当程度の規模を有するエジプト紙巻きたばこ市場における事業展開の足掛かりにする方針。

 なお、買収額は明らかにされていない。買収に要する資金は、JTグループの手元資金及び必要に応じ既存借入枠内での借入により充当することを予定しているという。

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