住友商事、インドネシア国営電力会社向け地熱発電所建設工事が完工

2012年11月8日 11:06

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ウルブル地熱発電所(写真:住友商事)

ウルブル地熱発電所(写真:住友商事)[写真拡大]

 住友商事は7日、インドネシア国営電力会社PT. PLN向けのウルブル地熱発電所(55メガワット2基)建設工事を2012年10月に完工したと発表した。

 ウルブル発電所は、インドネシア・スマトラ島の南端、ランプン州タンガムス県ウルブル郡に位置し、スマトラ島における初の大型地熱発電所。建設資金は日本政府の円借款を用いている。

 住友商事は、2010年に国際競争入札を経てPLNからウルブル地熱発電所建設プロジェクトを受注した。同プロジェクト着工から2年、PLNとの契約期限より早いタイミングでの完工を実現した。

 同プロジェクトにおいては、主要機器である蒸気タービンおよび発電機は、地熱発電設備分野で高度な技術力と多くの経験を誇る富士電機が供給し、土木・据付工事はインドネシアのレカヤサ・インダストリ社が担当した。同プロジェクトには、既存送電線からウルブル発電所に至る26キロメートルの新規送電線設置や、関連する3箇所の変電所の増新設および発電所敷地における斜面地造成も組み込まれており、高度なプロジェクト管理能力が要求されたが、パートナーと共に豊富な経験を生かし、着実に施行することができたという。

 今回の地熱発電所建設の成功を踏まえ、住友商事は今後も継続して環境に配慮した電力インフラ整備への貢献を目指す。中でも、インドネシア政府が打ち出している第二次電源開発促進プログラムにおいて約4,000メガワット相当の新規地熱発電所が複数計画されており、多くのプロジェクトへの参画を通して更なる貢献を目指す。

 同プロジェクトを含め、住友商事が建設や納入に携わった地熱発電所の総容量は約2,200メガワットに達した。これは全世界で運転中の地熱発電所の総容量の約20パーセントに相当する。また、インドネシアにおける参画プロジェクト(8件)合計での地熱発電設備納入容量は約640メガワットへと増加し、同国の稼働中地熱発電所全設備容量(約1,340メガワット)の50パーセント程度のシェアになった。

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