ゼンショー、食品スーパー「マルヤ」にTOB 買収額は約35億円

2012年10月4日 11:38

印刷

 牛丼チェーン「すき家」などを展開するゼンショーホールディングス(HD)は3日、首都圏で地域密着型の食品スーパーマーケットチェーンを展開するマルヤの普通株式を公開買付け(TOB)により取得し、同社を買収すると発表した。

 公開買付けの期間は2012年10月4日から2012年11月1日まで(20営業日)。買付け価格は普通株式1株につき150円。買付額は約35億円となる見込み。

 マルヤは、1962年に生鮮食料品等の小売販売を目的として埼玉県春日部市に設立された会社であり、1994年に店頭公開、1995年に東京証券取引所市場第二部上場を果たした。同社は、2012年2月20日時点で、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県に50店舗を有し、生鮮食料品・非生鮮食料品・日用品雑貨等を主体とした地域密着型スーパーマーケットチェーン「マルヤ」を展開している。

 一方、ゼンショーHDは、牛丼チェーン「すき家」のほか、和風牛丼・京風うどんの「なか卯」、スタンダードレストランの「ココス」及びハンバーグ&ステーキレストランの「ビッグボーイ」等を全国的に展開するなど、フード業の経営を幅広く行っている。

 今回、ゼンショーHDは、同社からの商品供給や共同仕入れにより、マルヤの商品力の向上を目指す。精肉に関しては、ゼンショーHDグループでは牛肉を中心に多量の畜産物を扱っていることから、共同仕入れによる調達力を強化できるという。青果では、ゼンショーHDの子会社であるユナイテッドベジーズが日本全国に開発した産地からの直接仕入れ、さらに様々な業態への出店で培った店舗運営ノウハウにより営業強化を図る。そのほか、鮮魚、デリカ、食品と、あらゆる分野でゼンショーHDの仕入れ・調達ルート・商品開発ノウハウ等を活かし、マルヤの企業価値向上を目指す。

 また、マルヤの不採算店舗や閉鎖店舗の業態転換やリーシングをゼンショーHDグループ全体で取り組み、ゼンショーHDの出店力を活かして小売店舗とレストランの複合店舗の出店も含めて新規出店を行い、店舗数の増加を目指す。

関連記事