【アナリストの眼】収益改善のインスペック、9月7日発表の第1Q決算に注目

2012年8月29日 14:26

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

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  インスペック <6656> (東マ)は、半導体パッケージ外観検査装置、基板パターン検査装置(基板OAI)、基板最終外観検査装置(基板AVI)などに事業展開している。今期業績は改善見通しであり、9月7日予定の第1四半期(5~7月期=第1Q)業績発表に向けて、株価は出直り態勢のようだ。

  今期(13年4月期)通期業績(非連結)見通しについての会社予想は、売上高が前期比2.2倍の12億円、営業利益が40百万円(前期は1億65百万円の赤字)、経常利益が20百万円(同1億40百万円の赤字)、そして純利益が20百万円(同1億40百万円の赤字)としている。国内は設備投資抑制の影響で低調だが、海外では12年3月に、台湾の大手基板メーカーから基板AVIを段階的に受注・納入するアグリーメントを締結している。総代理店契約を結んだ台湾TKKからの引き合い情報も増加している模様だ。配当については無配の予想としている。なお前期末時点で継続企業の前提に疑義の注記が付されている。

  会社リリースによる月次受注動向(速報値)を見ると、5月が48百万円、6月が9百万円、7月が56百万円、5~7月累計では1億14百万円となっている。次世代向けハイエンド半導体パッケージ基板用の検査ニーズが上向いている模様だ。

  株価の動きを見ると、8月1日と7日に年初来安値となる2万1000円を付ける場面があったが、その後は反発している。そして足元では27日に前日比4700円(20.53%)高、28日に前日比2990円(10.84%)安と乱高下している。28日の終値2万4610円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS1875円64銭で算出)は13倍近辺、実績PBR(前期実績のBPS1万5160円98銭で算出)は1.6倍台となる。

  週足チャートで見ると、13週移動平均線を回復して調整一巡感を強めている。また日足チャートで見ると、25日移動平均線を回復して上値を切り上げており、出直り態勢に入っているようだ。半導体製造装置関連としては指標面に割安感があり、第1四半期業績発表予定の9月7日に向けて値を飛ばす可能性もあるだろう。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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