大日本印刷、国内の生産体制を再編 東南アジアなど海外製造拠点は増強

2012年8月28日 17:51

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 大日本印刷(DNP)は28日、包装事業のさらなる競争力強化と収益力改善のため、事業構造を抜本的に刷新し、東南アジアを中心にグローバル展開を強化するとともに国内の生産体制の再編を実施すると発表した。

 まず、グローバル展開については、今年7月に建設に着工したベトナム工場(2013年4月竣工)に続き、既存のインドネシア工場の拡張を実施するなど、成長著しい東南アジアを中心に海外の製造拠点の増強を進めていく。一方、国内については、全国に展開する包装事業の製造部門を再編し、最適なBCP体制の一層の推進とコスト構造の改革により、包装事業の競争力の強化を図る。

 DNPインドネシアの工場拡張については、現在進行中のカラワン工場の増強が2013年1月に完了する予定。投資額は約30億円。これによりDNPインドネシアの軟包装の生産能力は約20%アップする予定。また、同じ工業団地内に新工場用の土地を取得しており、2013年に着工、2015年の稼働予定で、投資額は30億円。これにより、インドネシアにおける製造拠点は、ジャカルタ工場、カラワン第1工場、カラワン第2工場の3拠点体制となる。

 さらに、今年6月には、東南アジアの拠点へのリスク管理などのマネジメント力を強化するとともに、更なる事業拡大を進めるために、同地域における全社的な事業統括会社をシンガポールに設立し、この地域の包装事業拡大の支援にも努めていく。今後も需要の拡大に合わせて、インドネシア及びベトナム工場の設備増強を進めるとともに、他のエリアへの進出についても検討していく計画。こうした東南アジアなどのグローバル展開を強化することにより、この分野の海外売り上げを現状の約230億円から2015年に約150%拡大させる。

 一方、包装事業の国内の営業体制は、関東、関西エリアについてはDNPの包装事業部が、そして北海道、東北、中部、西日本の地域については、4つの地域事業会社が担当することで全国の顧客のさまざまなニーズに応えている。生産体制についても、包装事業部が管轄する5つのグループ会社と各地域事業会社の中に、それぞれのエリアや品目ごとの生産管理・技術・製造のスタッフ並びに製造設備を保有している。

 今回の再編では、今年10月、包装事業部直轄のグループ会社5社のうちDNPテクノパックを存続会社として残る4社を吸収合併する。さらに、地域事業会社の包装部門については、関係する製造・生産管理・技術部門を再編してDNPテクノパックに統合し、全国を一元的に管理する生産体制とする。

 今後、固定費の削減や生産集約などによる効率改善などコスト構造の見直しを図るために、工場の統廃合も視野に一層の効率経営を進めていく。

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