富士ゼロックス、ベトナムに新生産拠点:アジア・新興市場向け生産を強化

2012年8月16日 17:08

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富士ゼロックスが公開した、同社生産拠点と主な生産品目を示した図

富士ゼロックスが公開した、同社生産拠点と主な生産品目を示した図[写真拡大]

 富士ゼロックスは16日、ベトナムで新会社「Fuji Xerox Hai Phong Co., Ltd.」(富士ゼロックスハイフォン)を設立し、約90億円を投じてベトナムに新たな生産拠点を設立すると発表した。生産拠点の一極集中を避けながら、今後の伸びが期待されるアジア市場向けなどに生産量の拡大を図る。

 新会社では、ベトナム北部ハイフォン市のVSIPハイフォン工業団地に生産拠点を設立し、2012年12月に着工、2013年11月に操業開始を予定している。投資額は約90億円で、生産能力はデジタルカラー複合機、小型LEDプリンターなど年間約200万台となる見込み。

 また、プリント基板やドラムカートリッジ用部品など、デジタル複合機や小型LEDプリンター用の部品も生産し、商品の組立てラインと垂直統合して生産を同期させることで生産効率を高める計画という。さらに、部品調達をアジア全域に広げることでコスト低減を図り、アジア・パシフィック、欧米などの新興国市場に向けて競争力のある商品を生産するとしている。

 同社によると、アジア各国の中でベトナムを選んだ理由は、工業化に向けて堅実な成長を続け、情報機器などの産業が集約しつつあり、中国やタイ、ASEAN各国と広域陸送網で結ばれ、サプライチェーンが組みやすいといった利点があるためという。

 新会社の資本金は3,600万ドル(約28億5,000万円)で、敷地面積は17万6,700平方メートル。

 同社によると、現状では中国の2拠点(富士ゼロックスシンセン/富士ゼロックス上海)で、デジタルカラー複合機、小型LEDプリンターなどの同社製品の約9割を生産している。

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