【アナリストの眼】上値余地のカナモト、建機レンタル復興需要本格化、今期上ブレも

2012年8月3日 09:26

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【今、この銘柄】

  建設機械レンタル大手のカナモト <9678> は、好業績の見通しであり、株価に上値余地がありそうだ。

  建設機械レンタル事業が主力のため、建設投資動向の影響を受けやすいが、足元では震災復興需要の本格化が追い風となり、全国展開やM&Aの活用も業容拡大につながっている。

  今期(12年10月期)通期連結業績についての会社予想(5月28日付で上方修正済み)は、売上高が前期比7.3%増、営業利益が同62.1%増、経常利益が同87.5%増、純利益が同81.0%増としている。東北地方で震災復興需要が本格化し、瓦礫撤去工事向けなどに建設機械レンタルの需要が好調である。また首都圏でも、既存建造物の耐震対策工事が増加している模様だ。年間配当については20円(第2四半期末10円、期末20円)の予想としている。

  なお6月28日に、ユナイト(道路用建設機械レンタル事業、道路工事施工事業を全国展開)の株式66.9%を取得して子会社化した。ただし業績への影響については精査中のため通期予想には織り込んでいない。今期上振れの可能性があり、13年10月期以降の収益に寄与することも期待される。

  株価の動きを見ると、直近の安値圏700円台前半から反発し、週足チャートで見ると26週移動平均線を回復して戻り歩調となった。足元では900円近辺でモミ合い、戻り一服の局面のようだ。

  8月2日の終値884円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS64円26銭で算出)は13~14倍近辺、今期予想配当利回りは2%台前半、実績PBR(前期実績の連結BPS1129円47銭で算出)は0.7~0.8倍近辺となる。

  指標面に割高感がなく、好業績見通しを評価すれば上値余地があるだろう。7月19日に付けた直近の戻り高値936円を突破すれば上昇トレンドの形となり、4月2日の年初来高値1008円を試す可能性が高まるだろう。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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