クレハなど4社、リチウムイオン電池材料会社に最大200億円の資本投入で合意

2012年7月31日 18:53

印刷

 クレハ、伊藤忠商事、クラレ及び産業革新機構(INCJ)は31日、クレハの子会社でリチウムイオン二次電池(LiB)用材料を取り扱う「クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン」(KBMJ社)の成長を一層加速させることを企図し、KBMJ社に対し新たにクラレ及びINCJが資本参加の上、4社合わせて最大約200億円の資本投入を行うことについて合意したと発表した。

 KBMJ社は、LiB用ハードカーボン負極材「カーボトロンP」の製造・販売及びLiB用バインダーの販売を行うことを目的とし、クレハと伊藤忠商事の合弁会社として、2011年10月1日に営業を開始した。また、2011年12月に、クレハとクラレは植物由来原料のLiB用ハードカーボン負極材「バイオカーボトロン」の共同事業化に向けて合意している。

 こうした協議を通じて、クレハと伊藤忠商事は、KBMJ社を今後の成長著しいLiB用材料分野におけるネットワークの中枢となる会社と位置付け、各社の強みを持ち寄り独自の地位を築くことを目指してきた。そして今回、KBMJ社の株主として新たにクラレ及び革新性を有する事業への成長資金の供給を目的とするINCJが参画し、KBMJ社は財務基盤の強化を図りつつ成長を更に加速させていく。

 KBMJ社は、今後約2年間、第三者割当増資により伊藤忠商事、クラレ及びINCJに対しては普通株式を、加えてINCJに対しては無議決権優先株式を発行することにより、最大約145億円を調達する予定。また、クレハも戦略的パートナーへの第三者割当増資と同じタイミングでKBMJ社の普通株式を最大約55億円引き受けることに合意しており、KBMJ社は合わせて最大約200億円の資本調達を行うこととなる。

 資本参加受入れ後のクレハ及び戦略的パートナーのKBMJ社に対する議決権割合は、クレハ50.1%、伊藤忠20%、クラレ20%、INCJ9.9%となる。引続きクレハがKBMJ社の議決権の過半数を維持し主導的に業務運営を行うが、戦略的パートナー各社からKBMJ社への取締役派遣を通じ、効率性・透明性の高い経営体制を構築していく。

 なお、このKBMJ社による調達資金は、主にLiB用ハードカーボン負極材「カーボトロンP」及び「バイオカーボトロン」の大規模で安定的なグローバル供給体制を構築するための設備投資に充当される予定。

関連記事