スポーツ振興による社会貢献活動で、海外事業の指針を具現化

2012年7月30日 11:00

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記事提供元:エコノミックニュース

 環境活動や教育・文化振興活動、スポーツ振興活動など、企業が実施する社会貢献活動。植樹や学校建設など、環境活動や文化活動においては諸外国での活動も多く実施されているが、スポーツ振興活動に関してはあまり耳にしないのではないだろうか。しかし実際には、製造業を中心として拠点の海外シフトが進むにつれ、現地での社会貢献活動も積極化している。

 ヤマハ発動機もそんな企業の一つである。ヤマハ発動機は、同社の基幹事業である二輪車のインドネシア・ベトナム・タイといったアセアン地域における出荷台数が、アジア全体の出荷台数の7割以上を占める。マーケットとしても生産拠点としても非常に重要なこのアセアン諸国で、現地法人などと共に、地域社会との共存を目指した様々な活動も意欲的に実施しているのである。

 中でもアセアン地域でのヤマハスポーツ振興活動のシンボル存在となっているのが、13歳以下の少年による国際少年サッカー大会「YAMAHA ASEAN CUP U-13 FOOTBALL」の開催である。今年も7月13日からの3日間にマレーシアで第4回目が実施された同大会は、青少年育成およびスポーツ活動の普及に貢献することを目的として2008年から実施。マレーシア・インドネシア・ベトナム・タイといったアセアン諸国に加えインドのチームも参加し、各国の予選を勝ち抜いた代表6チームが参集、グループリーグから決勝トーナメントまでを戦う大会となっている。競技力向上だけでなく友情を深め合うことも目的としている本大会では、大会前日にウェルカムパーティを、決勝戦終了後にはフェアウェルパーティも開催。さらに、ゲームに集中してプレーを楽しめるよう、中立第三国の審判員として審判員資格を持つヤマハ発動機社員の有志がボランティアで参加、全10試合の審判を務めるなど、ヤマハ発動機は主催するだけでなく運営にも参加している。

 「世界の人々に新たな感動と豊かな生活を提供する」ことを目的に、「感動創造企業」を掲げるヤマハ発動機グループ。全身全霊で戦いながらもフィールドを離れたところでは仲間の輪を広げていくこの大会は、「感動」を具現化した活動の一つと言えるであろう。今回のヤマハ発動機の例が典型的なものであるが、他の企業においても、海外進出先での社会貢献活動に目を向けてみれば、同地域における事業戦略の指針が見えてくるかもしれない。

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

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