世界の主要経済指標(分析と市場の反応)6月22日分

2012年6月23日 19:14

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【6月22日の主要経済指標と市場の反応】

■アジア株は中国景気減速懸念で概ね軟調、欧州株は景気減速懸念で概ね下落

  22日の日本株式市場は下落したが小幅にとどまった。前日21日の米国株式市場が大幅下落した流れを引き継ぐかに思われたが、為替が円安方向に傾いたことが支援材料だった。

  アジアの主要株式市場(中国・上海株式市場は休場)は概ね軟調な展開だった。中国景気減速懸念に加えて、前日21日の米国株式市場が大幅下落した流れを引き継いだ。

  欧州株式市場は概ね下落した。景気減速に対する警戒感などで概ね売り優勢だった。

  米国株式市場は上昇した。主要経済指標の発表はなかったが、前日の大幅下落の反動で買い戻しが優勢だった。

  格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは21日、世界の大手金融機関15社の格付け引き下げを発表した。2月に見直し着手を明らかにしており、3月には2社の格付けを引き下げていた。

  22日に開催された独仏伊スペイン4カ国首脳会談では、ユーロ圏GDPの1%相当の1300億ユーロ規模の成長支援で大筋合意し、28日~29日のEU首脳会議に共同提案する模様だ。ユーロ共同債、銀行同盟については今後の課題として取り組む。

■米国株は前日の大幅安の反動で買い戻し、為替は円売り優勢

≪22日 日本≫

  日本株式市場は、前日21日の米国株式市場の大幅下落を受けて売り優勢でスタートしたが、下落幅を縮小し、意外なほどに堅調な展開となった。為替が円安方向に傾いたことが支援材料だった。MSCIのカテゴリー変更で韓国や台湾が先進国指数入りしなかったため、日本市場に資金が向かっているとの見方もあるようだ。主要経済指標の発表はなかった。

≪22日 アジア・オセアニア≫

  中国・上海株式市場は休場だったが、その他のアジアの主要株式市場は概ね軟調な展開だった。前日21日の米国株式市場が大幅下落した流れを引き継いだ。前日21日に金融大手HSBCが発表した中国6月製造業PMI(購買担当者景気指数)速報値が低調だったことで、中国の景気減速に対する警戒感も引きずった。

≪22日 ユーロ圏≫

  独6月IFO企業景況感指数は105.3となった。5月の106.9に比べて低下し市場予想も下回った。製造業部門が大幅に低下した。また2カ月連続の低下で、10年3月以来の低水準となった。

  独6月IFO企業景況感指数が低調だったことに加えて、スペインとイタリアの10年債利回りが一時的に上昇したため、株式市場は概ね軟調な展開となった。外国為替市場ではユーロ買い戻しが優勢だった。

  スペイン政府と中央銀行は21日、銀行の資本不足が最大で620億ユーロに上ったと発表した。サンタンデールなどの大手銀行は資本注入の必要はないとした。またスペインのデギンドス経済相は「25日に銀行支援を正式に要請する」と述べた。

  22日の独仏伊スペイン4カ国首脳会談後に、モンティ伊首相は「EUは域内総生産(GDP)の約1%に相当する成長支援策を導入する必要があるとの見解で一致した」と述べた。スペインのラホイ首相は「ユーロ圏の金融安定化に向けて求められる全てのメカニズムを整備することで合意した」と語った。メルケル独首相は「3カ国首脳が表明したEUのGDP1%相当を新たに投資など成長支援に割り当てる案に全面的に同意する」と言明した。オランド仏大統領は「ユーロ圏共同債を選択肢とみなしているが、10年という時間は考えていない」と述べ、記者団の質問に対して「欧州の救済基金を利用して、利回りが大きく上昇しているソブリン債を買い入れるというイタリアの提案を支持する」と答えた。

≪22日 米国≫

  米国株式市場は上昇した。主要経済指標の発表はなかったが、前日の大幅下落の反動で買い戻しが優勢だった。前日は格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが世界の大手金融機関17社の格付け見直しの結果を21日にも発表するとの報道が警戒感につながり大幅下落したが、その後発表された15社の格付け引き下げが警戒したほど厳しい内容ではなかったとして安心感につながった。外国為替市場ではドル買い・円売りが優勢だった。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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