日産、電力供給システム「LEAF to Home」を市場に導入 価格は実質33万円

2012年5月30日 12:24

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ニチコン製"EVパワーステーション"を活用した電力供給システム「LEAF to Home」(写真:日産自動車)

ニチコン製"EVパワーステーション"を活用した電力供給システム「LEAF to Home」(写真:日産自動車)[写真拡大]

 日産自動車は30日、ニチコン(本社:京都市中京区)が開発した"EVパワーステーション"を活用して日産リーフのバッテリーから電力供給するシステム「LEAF to Home」を市場に導入すると発表した。電気自動車の大容量バッテリーに貯めた電気を一般住宅の分電盤に接続して活用するシステムは世界初となる。日産はこのシステムを日産販売会社ショールームに順次設置し、EVを活用した効率的な電力マネジメントを推進する。

 ニチコンが開発した"EVパワーステーション"は、一般住宅の分電盤に直接接続し、コネクターを日産リーフの急速充電ポートへ繋ぐことで、日産リーフに搭載している駆動用の大容量リチウムイオンバッテリーに蓄えた電気を住宅へ供給することが可能となるもの。

 サイズは一般的なエアコンの室外機程度で、屋外への設置も可能。コネクターはグローバルに使用実績があり、汎用性や安全性、信頼性の高いCHAdeMO方式で採用されているもので、JARIのJEVS G105規格に準拠している。操作は液晶タッチパネルで行い、タイマー予約など使用シーンにあわせた各種動作モードを搭載しており、家庭の電力容量と消費電力に応じた供給調整を自動で行う。また、同システムは日産リーフから電力を供給するだけではなく、従来の普通充電時間の半分となる最短4時間で満充電を行うことができる。

 価格については、経済産業省の充電器等に対する補助金制度が適用された場合、標準的な設置工事費用を含んだ実質的な負担額は消費税込み33万円(税抜き30万円)程度となる予定。6月中旬より、日産販売会社を通じて同システムを購入することができる。

 同システムを活用する「LEAF to Home」は、夜間電力や太陽光発電を使って日産リーフに充電し、蓄えた電気を日中の電力需要が高まる時間帯に使用することで、家庭への安定した電力供給や電力消費のピークシフトに貢献する。また、停電時や非常時などにはバックアップ電源としての活用が可能。加えて、料金の安い夜間電力を日中に活用することで、電気料金の節減も期待できる。日産リーフのバッテリー蓄電能力は24kWhと大容量であるため、満充電時には一般家庭の約2日分の日常使用電力を賄うことができる。これにより、走行中はもちろんのこと、駐車中には蓄電池としてEVならではの付加価値を提供する。

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