デンソー、富士通セミコンダクター岩手工場を買収

2012年4月28日 00:19

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 デンソーと富士通セミコンダクターは27日、富士通セミコンダクターの岩手工場(岩手工場の土地、建屋、生産設備等の資産)の譲渡に関する基本契約を締結したと発表した。両社は今後、資産譲渡契約などの種々の契約を締結し、同工場は、今年10月1日にデンソーが設立する100%子会社として新たに事業を開始する予定。

 昨今の自動車の省燃費技術の発達やCO2削減に関する技術の高度化、更には先進安全技術に関する新しいシステムなど、自動車向け半導体部品のニーズはますます多様化し、生産量も拡大傾向にある。これらに対応するためデンソーは、すでに2箇所の自社向け車載用半導体の製造工場を有しているが、新たな生産拠点を確保することを必要としていた。

 一方、富士通セミコンダクターは、2009年にいち早く独自のファブライト型事業モデルを発表し、これを追求することにより、事業基盤の強化と経営体質の改善に努めている。昨今の経済環境の中で、顧客に商品の安定供給を継続しながら自社における製造能力の最適化を図ることが経営課題だった。このような状況のもと、今回両社の目的と考えが一致し、富士通セミコンダクター岩手工場の譲渡に関する基本契約の締結に至った。

 富士通セミコンダクター岩手工場在籍の従業員は全員、新会社に転籍する予定。また、同工場にて製造している製品については新会社にて製造し、引き続き富士通セミコンダクターから従来と同等の品質・納期とサービスにて顧客に提供していく。

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