米作家ニール・スティーヴンスン氏、悲観的な未来像が科学技術の進歩に影響することを憂慮

2012年4月22日 13:41

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記事提供元:スラド

danceman 曰く、 MITで行われた公開インタビューで米SF作家のニール・スティーヴンスン氏は、最近のSF作品で描かれる悲観的な未来像が技術者や科学者の想像力を失わせることへの憂慮を語った(Technology Reviewの記事本家/.)。

スティーヴンスン氏は自身を「楽観主義者に代わろうとしている悲観主義者」と表現し、反理想郷的な流行に乗った作品を過去に執筆したことを認めたうえで、「未来の描写がすべて恐ろしいものであれば、未来を作ろうとする意欲が失われる」と述べたという。技術的に実現可能な明るい未来像を描いたSF作品集を作ることで状況を改善するため、スティーヴンスン氏は「Hieroglyph project」を昨年立ち上げた。自身も実際の技術的構想に基づき、単段式宇宙輸送機(SSTO)を軌道に打ち上げる20キロメートルの高層タワーをテーマにした作品を寄稿している。また、現在の技術で実現可能なSF的計画であっても、リスクモデルがないことで保険を契約できないなど、技術面以外の障害があることを指摘し、「君たちはコードを書かずに保険会社に入るべきだ」とMITの学生に語りかけ、会場の苦笑を誘ったとのこと。

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