原美術館で開催中の「杉本博司 ハダカから被服へ」展レポート

2012年4月9日 20:00

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記事提供元:ファッションプレス


日本を代表する現代美術作家、杉本博司の個展「ハダカから被服へ」が東京・品川の原美術館にて2012年7月1日(日)まで開催中されている。人類の歴史を被服から紐解き、「装う」ことを改めて問うこの展覧では、マドレーヌ ヴィオネガブリエル シャネルクリストバル バレンシアガイヴ サンローラン三宅一生山本耀司川久保玲(コム デ ギャルソン)など20世紀を代表するファッションを杉本のカメラからの眼が捉えたもの。ファッションを彫刻のようにとらえた「スタイアライズド スカルプチャー(Stylized Sculpture)」シリーズを中心に、杉本が今まで手掛けてきた作品に加え、杉本が収集した美術工芸品なども展示されている。一般公開に先駆け、原美術館にて記者会見が行われた。


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この展覧会では、杉本の絵画のコレクションと、「ジオラマ」と「肖像写真」シリーズからピックアップされた作品達から、人類と被服の物語が始まる。「類人」という作品は「昔、人類は裸で暮らしていた」と物語の始まりを暗示している。1970年代後半に着手した「ジオラマ」と「肖像写真」シリーズからは、ニューヨークの自然史博物館、ロンドンのマダムタッソー蝋人形館やカリフォルニアの蝋人形館にて撮影された写真を展示。



「スタイアライズド スカルプチャー」シリーズは、主に20世紀に歴史的活躍をしたデザイナー達の作品を題材とし、「近代化」をテーマに、20世紀のファッションの流れに重点に置いている。



1920年代、女性の解放運動が盛んだったころ、ココ シャネルは女性の為の着やすく、動きやすいドレスを発表し、それまでのコルセットで身体を奇形化させていた女性のファッションに革命を起こした。また1980年代から90年代にかけて、西欧のファッション界を圧倒した日本人デザイナーたちの作品の新しい「非西洋的な価値観」は日本から世界へのメッセージの発信でもある。



このように、時代に合わせて変化してきた"着る"ということやファッションに対する美意識について考えさせられる展示となっている。この「スタイアライズド スカルプチャー(Stylized Sculpture)」はあくまでも『ファッション写真』としてではなく、「彫刻化されたファッションとして見てほしい」と杉本は語る。それは、短期間に急激な発展を遂げた近代が人類史の中でも特異な時代であり、20世紀のファッションにもそのような時代の変化を見ることができる、という思いからこのシリーズを発展させたからだ。



写真作品のほかにも、「杉本文楽曾根崎心中」(2011年)の人形お初とその衣裳、杉本がデザインを手掛けた三番曳公演「神秘域(かみひそみいき)」(2011年)の能楽装束も展示され、様々なジャンルの芸術に挑戦を続ける杉本ならでは視点から、「装う」ことの意味を問いかけている。



今回の展覧会では、杉本のこだわりが随所に散りばめられているが、作品のキャプションもそのひとつ。紙芝居のように読んでもらいたいと考え、杉本自身が制作したキャプションは、作品の概要だけが書かれた一般的なキャプションとは違い、1つ1つがウィットに富んで読みやすく、まるで物語を読んでいるかのようだ。



展示を通して、自らが発信するイメージをまっすぐ、正確に届けたいという彼の想いが伝わってくる。「人類史全体の中で被服を纏うというのがどういう事なの か、ということを考える、検証するような展覧会にしたいなと思いました」(杉本)。



「ハダカから被服へ」展の開催と同時に、杉本博司を取材したドキュメンタリー映画「はじまりの記憶 杉本博司」が渋谷シアター・イメージフォーラムのモーニング・レイトショーにて上映されている。杉本の創造の原点や彼の素顔など、今まで明かされていなかった杉本の姿を見られる作品となっており、こちらも必見だ。



■展覧会の詳細はこちらでチェック:

日本が誇る現代美術作家、杉本博司の個展「ハダカから被服へ」を3月より原美術館で開催



【展覧会情報】

「杉本博司ハダカから被服へ」

会場: 原美術館

住所: 〒140-0001 東京都品川区北品川4-7-25

開催期間: 2012年3月31日(土)~7月1日(日)

開館時間: 11:00am~5:00pm (水曜は8:00pmまで / 入館は閉館時刻の30分前まで)

休館日: 月曜日 (祝日にあたる4月30日は開館)、5月1日(火)

入館料: 一般1,000円、大高生700円、小中生500円 / 原美術館メンバーは無料、学期中の土曜日は小中高生の入館無料 / 20名以上の団体は1人100円引き



【問い合わせ先】

TEL: 03-3445-0651

原美術館公式HP: http://www.haramuseum.or.jp


※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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