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【再生可能エネルギー特集(7)】安定供給が課題の風力発電
■自然条件に左右されやすい
風力発電は自然条件に左右されやすく、風の吹き方によって発電量が大きく変動するという欠点がある。最大能力で連続して運転できることは極めて稀であり、設備利用率は約20%にとどまるという指摘もある。
日本風力発電協会(JWPA)によると、世界風力エネルギー協議会(GWEC)が発表した2011年12月末時点における世界の風力発電導入量は、前年比21%増の2億3835.1万KWとなった。また2011年の新規導入量は4123.6万KWで、このうち1800.0万KWを新規導入した中国が、引き続き世界1位だった。
1位の中国、2位の米国、3位のドイツ、4位のスペイン、5位のインドなど上位国は、政府の新エネルギー導入優遇政策などにより、風力発電の導入を積極的に進めている。
これに対して日本の累積導入量は250.1万KWで、世界13位にとどまっている。世界市場シェアは1.05%に過ぎない。また2011年の新規導入量は16.8万KWで、世界21位に低迷している。海外での市場拡大に比べると、日本国内では風力発電所の建設が伸び悩む状況が続いている。
市場伸び悩みの要因としては、第一に安定供給という点で不安が大きいことが指摘されている。さらに国内の風力発電所に関しては、発電機の倒壊や羽根の破損・落下などの事故が相次いだため、建築基準法改正で耐震性や安全対策の項目が増えて建設コストが上昇していること、生態系保全に対する懸念、騒音や低周波音による健康被害への懸念などで、地域住民の反対運動が増えたこと、風力や風向きの面で風力発電に適した地点が減っていることなども、伸び悩みの要因として指摘されている。
ただし、電力全量買い取り制度に加えて、規制・制度改革で開発のスピードが上がれば、普及に弾みがつく可能性もあるだろう。
また電力の安定供給という課題に対しては、風力発電所に蓄電装置を併設する動きや、スマート・グリッドの活用が注目されている。スマート・グリッドというのは、送電網に組み込んだ通信・制御システムが、蓄電装置などと連携し、電力の供給量と需要量を把握・需給調整して送電と蓄電を効率的に行い、最適な電力供給体制を築く次世代型送電網である。スマート・グリッドの整備が進めば、発電量の変動を吸収しやすくなるため、発電量の不安定な風力発電の普及を後押しすることが期待されている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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