日本の若手研究者、減少中

2012年3月23日 11:50

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記事提供元:スラド

 ある Anonymous Coward 曰く、

 「日本で若手研究者の数が減っている」というニュースが、Nature に掲載されている (Nature News の記事より) 。

 日本政府による歳出削減のため、日本の大学から若手研究者が締め出されているという話だ。実際、日本の大学における 35 歳以下の研究者数はここ 30 年で 3 割以上減っているという。研究者の数自体は増えているものの、若手が減っているため、大学の研究者においても「高齢化」が進んでいる状態だ。特に、過去 20 年間においての政府の方針転換は大きな影響を与えたという。1990 年代の「大学院重点化」は多くの博士を生んだが、2001 年以降は大学の人員削減を行ったため、若い研究者の就職先がなくなる状況となった。さらに、大学への資金援助に競争的な概念を持ち込んだため、長期間にわたるプロジェクトを立ち上げにくくなり、その結果研究者らの立ち位置が不安定になっているという。

 これにより日本の研究能力の低下も発生しており、Elsevier の SciVerse Scopus データベースによると、2006 年から 2010 年にかけて、英国の大学が発表した論文の数は 12.7 % の増加、ドイツでは 15 % の増加が見られたのに対し、日本の大学が発表した論文の数は 4.3 % の減少だったそうだ。

 労働基本法の改正による影響などもあるようだ (Togetter のまとめ) 。

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