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日銀の山口副総裁「成長力を強化するには『チャレンジ精神』の活性化が必要」と強調
日銀の山口広秀副総裁は、2日、香川県高松市で講演を行ったが、その中で「外需・内需の両面作戦で成長力の強化を」と題して、次の4点を強調した。[写真拡大]
■「霞ヶ関発・兜町着」直行便
日銀の山口広秀副総裁は、2日、香川県高松市で講演を行ったが、その中で「外需・内需の両面作戦で成長力の強化を」と題して、次の4点を強調した。日銀のトップが、金融問題以外の産業・経済分野に切り込んで発言することは異例とも思われるが、それだけわが国の将来は「成長力の強化」にかかっているとも言える。山口副総裁は、冒頭に「中長期的な成長力を強化していくことは容易ではないが、是非とも実現していく必要がある」と述べ、以下次のように語った。
第1はグローバル需要を最大限に取り込んでいくことだ。そのためには輸出もさることながら、積極的な海外進出によって、現地のニーズを的確にとらえて市場を開拓することが重要となる。企業の海外進出については、そのスピードが速すぎさえしなければ、国内雇用の空洞化をもたらす要因には必ずしもならないと思う。海外で収益を拡大し、それを国内に還元して新たな製品・サービスの研究や開発に投資するという循環が築かれていけば、国内ではむしろ付加価値の高い仕事が創出され、成長基盤の強化に資すると思う。観光やビジネスの拠点として日本に滞在する外国人を増やす取り組みや、海外からの投資を呼び込む環境を整備していくことも、グローバル需要を取り込み、同時に国内の雇用を拡大するうえで効果的な戦略だ。
第2は潜在的な内需の掘り起こしだ。高齢化社会には高齢化社会なりの新たな潜在ニーズがあり、価値観やライフスタイルの多様化にきめ細かく対応する余地が豊富に存在する。医療・介護はもちろん、ITを応用した企業・家計に対するサービスなど、国内市場には多くの可能性がある。電力需給を巡る懸念もあるが、逆にそうした課題を克服する節電や代替エネルギーの開発なども、新たな付加価値の創出につながる。
第3は労働市場の柔軟性を高めることだ。高齢化に伴う労働力不足が経済成長の制約となるのを和らげるには、高齢者や女性の就業を促進することが必要になる。また、転職や新規事業の立ち上げに踏み切りやすい環境を整えることは、経済全体における人材の有効活用や新陳代謝の活性化にもつながる。グローバル人材の育成も急務だ。
第4は金融資本市場の機能強化だ。新たな市場の開拓には、リスクへの挑戦が不可欠であり、それを支援するには、投資家や金融機関によるリスクの引き受け、すなわちリスク・マネーの供給が必要。日本の家計には1,500兆円近い金融資産があり、金融機関には豊富な預金が集まっている。その一部でもリスク・マネーへと転化させていくよう、地道に取り組みを進めていくことが重要である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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