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商品の付加価値~顧客の意識を“競合商品”から“効用”に転換させるには~

菅 正至

執筆者:菅 正至
すが事務所 代表

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 我々は日常の経済活動において、商品を購入して、いつも、その商品が高いか安いかを無意識に判断している。我々が無意識に行っている判断も、分析的に捉えると付加価値というものの実態が見えてくる。今回は高付加価値経営について考えてみたい。

 我々が商品を購入するとき安いと感じるのは、基本的にその商品のもたらたす“効用”が価格より大きいときである。この“効用”は、物理的、経済的、精神的、すべての要素を包含した概念である。理論的には価格より“効用”が大きければ購入の意思決定を正当化できる。

 ただし、こうした論理が成立するのは、競合がまったくない状態においてである。現実には、ほとんどの商品は競合商品が存在し、我々の意識は競合商品より高いか安いかで、商品が高いか安いかを判断している。すなわち、商品のもたらす“効用”が、価格より大きく、かつ商品が競合商品より安いとき、その特定商品の購入は正当化されるのである。

 極めて当たり前のことであるが、商品を購入しようとするとき、我々の意識が商品の“効用”の方に傾いているのか、“競合商品”の価格のほうに傾いているのかを考えることは重要である。もし、商品が差別化されたものであり、競合がほとんどないものであれば、我々の意識は“効用”に傾く。反対に競合商品の多いものであれば、我々の意識は“競合商品”との比較に傾く。

 ところで多くの産業においては、技術的な水準が等しく、製品差別化ができにくいという非常に厳しい競合状況がある。したがって、常に競合他社との価格競争になり、結果として付加価値の低い経営を強いられることになりがちである。では、こうした産業において高付加価値を実現するにはどうしたらいいのであろうか?

 結論から言えば、顧客の意識を“競合商品”から“効用”へと転換させることである。これには二つの方法がある。第一に、他社の扱わない商品を扱い、他者と製品差別化を図ることである。第二に、顧客にとっての“効用”を最大化するようなビジネス提案を図ることである。顧客にとっての“効用”を最大化するには、顧客のビジネスにおいて付加価値を創造してやらねばならない。顧客の意識を“競合商品”から“効用”に転換させるには、企業自体のビジネス形態も変わってゆく必要があるのだ。

 こうした意味で、“効用”を最大化するように見せる戦術は必要である。顧客がどのように“効用”をイマジネーションしてくれるかが、価格決定になるからだ。とくに、経済原理からして、競合の激しい状況においては、スケールメリットが有利に働くことが多い。中小企業の場合は、自社の規模や経営資源を鑑みれば、顧客の意識を“競合商品”に向けさせると、不利な戦いになる場合も多いのだ。高付加価値に転換してゆかなければならない企業は、こうしたことを踏まえ、ビジネスモデルの質的転換を図らねばならないだろう。

 あえて付加価値の本質に立ち返り、どのような形での事業が時代に求められているのかを考えることは意義のあることであろう。

著者プロフィール

菅 正至(すが・まさし) すが事務所 代表

主に国内の中堅企業に対して、人事労務関係のコンサルティングを行っています。特にリストラ関係、人事制度設計、組織変革マネジメントに強みを持ち、多くの企業でプロジェクトを成功に導いています。個人事務所なので日本一敷居の低い経営コンサルタントを目指しております。
人事関係の経営課題がありましたら、お気軽にコンタクトしてください。現在のクライアントとは顧問契約ベースで長期でお付き合いしております。
URL: http://www.suga-office.com
メール: sugamm@jcom.home.ne.jp

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