日銀総裁、中国経済を見る3つのポイントを指摘

2011年12月27日 10:50

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

日銀の白川方明総裁は21日の記者会見で、「中国経済」に関して次のように見解を述べた。

日銀の白川方明総裁は21日の記者会見で、「中国経済」に関して次のように見解を述べた。[写真拡大]

■「霞ヶ関発・兜町着」直行便

★「経済成長、物価、欧州ソブリン問題の影響」

  日銀の白川方明総裁は21日の記者会見で、「中国経済」に関して次のように見解を述べた。

  (問)新興国の中で非常に存在感の大きい中国の経済見通しについて、欧州経済の減速に伴って中国の輸出の勢いに陰りがあるということを中国当局者も言い出しているが、当然、日本の経済にも影響が出てくると思われる。同時に、一部では上海や北京など大都市圏の不動産価格に変調があり高級物件を中心に下がり始めていて、90年代の日本のバブル崩壊が始まった時のような動き、そういう予兆が既にあるのではないかとの疑念もあるが、それらも含めて、中国経済の不確実性について、総裁はどのようにお考えか。

  (答)足許の中国経済をみると、輸出が減速しているが、堅調な内需に支えられて全体としては高成長を続けていると判断している。先行きの中国経済の見通しだが、色々なエコノミストあるいは政策当局者が中国経済を語ると、過去についてもそうだが、色々な見方があるように思われる。私自身、ある特定のシナリオに固執するということではなく、中国経済をみていく上で、どういう点がポイントなのかを申し上げることが答えになるかと思う。3点ある。

  1つは、中国経済の成長のポテンシャルはまだ引き続き高い。都市化の進展等に支えられて潜在需要は増加していくと思う。第2点は物価を巡る動向だ。中国のインフレ率は、水準としてはまだ高いが、明確に低下方向に向かっているように思う。そうなると、実質購買力の回復、あるいは金融緩和の余地が出てきて、そうした面から景気が持ち上がってくる、景気が刺激されるという効果が生じる。3つ目のポイントは、欧州ソブリン問題の影響だが、日本に比べると、中国は欧州向けの輸出ウエイトが高いため、それが貿易ルートを通じて影響してくる。以上、3つのポイントを意識しながら中国経済を点検していきたいと思っている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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----------------------------- 日銀の白川方明総裁は21日の記者会見で、「中国経済」に関して次のように見解を述べた。

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