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白川日銀総裁が「今年1年を回顧」=3大経済出来事を言明
来年度予算案が24日決まったが、正直言って何の特別な言葉も出てこない。現在日本社会が抱えている諸課題や、各階層の国民が抱えている問題を少しでも解決させ、将来に希望の見える財政措置の一歩となっているとは、到底思えないからである。[写真拡大]
■「霞ヶ関発・兜町着」直行便
★「大震災、欧州ソブリンリスク、金融緩和」
来年度予算案が24日決まったが、正直言って何の特別な言葉も出てこない。現在日本社会が抱えている諸課題や、各階層の国民が抱えている問題を少しでも解決させ、将来に希望の見える財政措置の一歩となっているとは、到底思えないからである。それは年金の国庫負担分2・6兆円を一般会計から外し、特別会計で扱い、歳出総額の減額を糊塗した一事を以ってしても明らかである。さらに、政権公約であるマニフェストをかなぐり捨て、自公政権もびっくりするほどのバラマキ型予算をつくり上げた。政治家不在、理念不在、官僚主導の『亡国予算』である。
霞ヶ関にも永田町にも政策をきちんと語れる人間はいない中、比較的中立的に政治と経済を見ているのが日銀である。未だに『インフレのお化け』に怯え、思い切って金融政策特に金利政策が取れないのは残念だが、『省益』しか頭にない財務省よりは、ずっと益しである。その日銀の白川総裁が21日、記者会見で「今年1年の回顧」をこう行なった。
わが国にとって本年最大の出来事は、言うまでもなく東日本大震災であったが、その経済面の影響についてみると、サプライチェーンの寸断を始めとした様々な供給面の制約は、夏場にかけて予想以上の早さで解消し、景気は持ち直しに向かった。震災直後の悲観的なムードを考えると、わが国企業の現場力や国民の比類なき対応力に改めて日本の底力を感じた。
第2の感想は、現在世界経済の最大のリスク要因となっている欧州ソブリン問題だ。この展開をみると、金融経済の安定を実現する際に、最も根源的な次元でソブリン債務に対する信認がいかに重要であるかを物語っている。それと同時に、市場は平常時から先行きへの警戒シグナルを発してくれるとは限らず、何らかのきっかけで、突然非連続的に変化する可能性がある、ということを改めて実感し。この点、日本としても様々な教訓を引き出し得る出来事が展開していると思う。
第3は、このような状況にあっても、わが国が極めて緩和的な金融環境を維持していたということ。わが国の金融動向については、東日本大震災による大きなショックに見舞われた際にも、金融機能が維持され、資金決済の円滑も確保された。金融市場も、震災直後を除けば安定して推移した。年後半においては、欧州ソブリン問題に対する懸念の強まりから国際金融資本市場の緊張度が高まり、とりわけ欧州では、金融機関の資金調達コストや社債市場の機能などの面で、金融環境がはっきりと悪化したが、そうした中でもわが国の金融環境は緩和的な状態を維持している。その背景としては、潤沢な資金供給を始めとする様々な金融市場の安定確保策に加え、包括的な金融緩和政策を通じた強力な金融緩和の推進も大きかったと考えられる。逆に言うと、これだけの金融緩和にもかかわらず、支出が本格的に増えていかないということは、それだけ日本経済が直面している中長期的な課題が大きいことを意味しており、成長力強化の必要性を強く感じた1年でもあった。
この一年、「経済」を語る、いや語れる政治家、官僚は一人もいなかった。民主党の政治家にその資質がない事は分かっていたが、官僚はそれをいいことに、見事に政治家を『マインドコントロール』し、内閣の中に隠れ巣窟をつくった。その点、日銀は自分で調べ考え、常に情報を発信してきた。この点は評価したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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