IHI・東芝など、水中浮体方式の海流発電システムの開発に着手 

2011年11月28日 14:12

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水中浮体方式の海流発電システムのイメージ(画像:東芝)

水中浮体方式の海流発電システムのイメージ(画像:東芝)[写真拡大]

 IHI、東芝、東京大学(新領域創成科学研究科 海洋技術環境学 高木健教授)、三井物産戦略研究所は28日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「風力等自然エネルギー技術研究開発/海洋エネルギー技術研究開発」に連名で応募し、「次世代海洋エネルギー発電技術研究開発」の委託予定先に採択されたと発表した。

 日本は、黒潮などの海流が年間を通じて沿岸付近を流れているため、この巨大なエネルギーを利用することにより、自国の自然エネルギーを利用したクリーンな安定電源を新たに構築することができると期待されている。今回の事業は、この海流エネルギーを有効、かつ経済的に利用するべく、水中浮体方式の海流発電システムの要素技術を開発するとともに、事業性評価等を実施して将来の海流発電の実用化を目指すもの。

 水中浮体方式の海流発電システムは、(1)昼夜や季節による流れの速さ・向きの変動が少ない安定した海洋エネルギーを、長期かつ連続的に利用できることで、年間を通じて安定的な発電が可能で、大きな発電電力量も期待できる、(2)発電装置を海底から係留し、海中に浮遊させることで、波浪の影響を受けずに安定した水深での 運用が可能となり、船舶の航行にも支障を及ぼさない。また,簡便な係留が可能となることから設置が容易であり、コスト競争力に優れている、(3)対向回転する双発式の水中タービンを採用するため、タービンの回転に伴う回転トルクを相殺でき、海中で安定した姿勢を保持して、効率的に発電が可能である、(4)保守整備時には,タービンの向きと浮力を調整することで、必要に応じて海上に浮上させることができるため、メンテナンスや修理が容易である、といった優れた特徴を有している。

 今後、海洋における再生可能エネルギー利用による持続可能なエネルギー社会の実現を目指して、海流発電システムの研究開発を進めていく方針。

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