日立、風力発電用の永久磁石発電機の小型・軽量化技術を開発 約30%の重量低減達成

2011年10月25日 14:22

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今回開発した2,000kW級永久磁石発電機用「高冷却回転子」(画像提供:日立製作所)

今回開発した2,000kW級永久磁石発電機用「高冷却回転子」(画像提供:日立製作所)[写真拡大]

 日立製作所は25日、風力発電システムの軽量化と、建設時の作業負荷の低減などを実現する2,000kW級風力発電用の永久磁石発電機の小型・軽量化技術を開発したと発表した。

 今回、発電機の回転子に冷却用通風溝を形成することで永久磁石を効率的に冷却し、かつ発電機の小型・軽量化を実現する「高冷却回転子構造」を開発するとともに、磁石配置や冷却用通風溝寸法を最適化し、電気特性と機械強度のバランスを保つことができる「発電機設計技術」を開発した。

 同技術を適用した2,000kW級永久磁石発電機を試作、検証した結果、現在風力発電用として主に導入されている巻線形誘導発電機(2,000kW級)と比較して、同レベルの発電効率(97%以上)を保ちつつ、約30%の重量低減が達成できることを確認した。

 近年、地球温暖化や資源価格高騰の対策として、再生可能エネルギーである風力発電などの導入量が世界的に拡大している。現在、運用されている1,000~3,000kWクラスの風力発電システムでは、回転子に駆動電力を供給しながら風車を回転させて発電する巻線形誘導発電機が主に使用されており、回転子への電力供給が不要な永久磁石を活用した永久磁石発電機への期待が高まっている。

 また、風力発電用に使用される発電機は、地上数10mから100mを越える高さにあるナセルに設置されるため、システムの軽量化と建設時の作業負荷の低減など、小型・軽量化の実現が求められている。

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