東洋製罐、世界大手の米製缶機械メーカーを597億円で買収

2011年9月30日 17:08

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 東洋製罐は30日、世界大手の製缶・製蓋機械メーカーである米Stolle Machinery Company, LLC(以下、「Stolle 社」)を買収することを決定し、同日、同社の親会社および同社の株主代表であるGSO Capital Partners LPとの間で、買収に関する最終契約を締結したと発表した。

 東洋製罐は、Stolle 社の現株主であるGSO Capital Partners LP が運営するファンド等からStolle 社の発行済株式の全てを取得する予定。取引形態としては、東洋製罐が買収のために米国に設立する買収目的会社であるTSK Merger Corporation と、Stolle 社の親会社であるCan Machinery Holdings, Inc.との間における現金を対価とした逆さ合併を通じて、東洋製罐がStolle 社を子会社化するもの。

 買収総額は約7億7,500万ドル(約597億円)となる予定。なお、買収のクロージングは、2011年12月末頃までを予定しているが、各国における競争法上の認可が得られること等を前提条件としており、合併およびそれに伴う譲渡代金の支払いは、同条件が充足された後に行われる予定。

 東洋製罐によると、同社グループを取り巻く昨今の経営環境は、国内包装容器需要の鈍化、競合容器メーカーとの競争激化や、得意先におけるペットボトル自社製造の拡大等に加え、原材料・エネルギー価格の上昇等もあり、厳しさを増しつつあるという。そのような経営環境下、東洋製罐は、既存国内事業の収益を安定的に確保しつつ、今後の成長に向けた軸足を「海外事業」および「新規事業」へと戦略的にシフトさせてきた。
 
 今回、東洋製罐が子会社化するStolle 社は、創業以来140年以上にわたり、製缶等機械の開発・製造・販売を手掛け、世界の製缶業界における技術およびプロセスの開発をリードしてきた世界大手の製缶等機械メーカー。

 同社は現在、北米、欧州に加え、将来の更なる成長が見込まれる中東、南米、アジア、アフリカ等の新興市場において事業を展開する、製缶・製蓋の各主要機械の業界におけるリーディングカンパニー。「Stolle 社を子会社化することで、同社を通じて当社固有の開発技術を世界規模で提供することが可能となり、ひいては、製缶業界の発展に大きく貢献できるものと考えている」と東洋製罐はコメントしている。

 買収を通して、今後、東洋製罐は、海外事業の強化、包装容器事業と機械設備事業の垂直展開による強固なビジネスモデルの構築、グループの既存機械設備事業とのシナジーの創出を目指すという。

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